- HOME
- コラム
- Edge of Europe
- 階級社会イギリスに「コロナ格差」はなし
階級社会イギリスに「コロナ格差」はなし
ジョンソンが重症化したとき、彼が一般国民と同じようにNHS(国民保健サービス)の病院に入院したのは、イギリス人にとってはごく当然のことだった。一国の首脳が特別待遇の医療を受けないことに驚いている国があると聞いて、僕たちのほうが驚いた。
英王室メンバーもこのパターンに当てはまる。高齢ゆえにエリザベス女王は隔離されているが、チャールズ皇太子は国内で最初のコロナ感染者が確認されるやただちに「真綿でくるまれ」保護される、ということはなかった。チャールズの公務も、ロックダウンのずっと前から中止されたりはしなかった。
彼らはうらやましいほどリスクと無縁の生活を送っているわけではない。それどころか、僕たちの多くが怖気づくような危険と隣り合わせの仕事に、国のため従事してきた。アンドルー王子はフォークランド紛争で戦闘に参加した(王位継承順位2位だった時にだ)。ヘンリー王子はアフガニスタンで従軍した。ウィリアム王子は救急ヘリ操縦士として勤め、重傷者を搬送した。
イギリスのコロナ対策には確かに疑問も生じるだろう。なぜ初期の検査を中止したのか。なぜPPEの数が不足していたのか。ロックダウンはもっと早くに始めるべきではなかったのか。そして、ウイルスの影響は誰にとっても公平だと主張するのもばかげている。貧しい人々は感染する機会も、重症化や死亡する確率も高い。貧困層のほうが経済的苦境に陥りやすい。ごく単純なレベルで言えば、立派な家と庭のある人々は、ロックダウンもそれほど苦痛ではない。
だが概して、パンデミックは社会契約を破壊することはなさそうだ。富裕層と貧困層が、言われているほど別世界に暮らしているわけではないのだから。
<本誌2020年5月19日号掲載>
政治改革を「いかにもそれやらなそう」な政党がやるとどうなるか 2025.02.15
「嫌な奴」イーロン・マスクがイギリスを救ったかも 2025.02.07
煩雑で高額で遅延だらけのイギリス列車に見切り...鉄道網が次々と「再国有化」されている 2025.01.22
2025年、ついにオアシス再結成......その真実を語ろう 2025.01.08
土地持ち農家は高額な相続税を払え...英労働党の新方針が農村部で大不評 2024.12.27
シリアに散った眼帯のジャーナリスト...アサド政権崩壊で思い返したいこと 2024.12.12
バックパックを背負った犬が歩くたび、自然が蘇る未来 2024.12.06
-
「セールス」外資ならではの働きやすさ/ホテル業界向けの業務管理システム提供/リモート可/2018年日本支社設立/32カ国・地域に7 000名以上のグローバルカンパニー
Shiji Japan株式会社
- 東京都
- 年収700万円~1,100万円
- 正社員
-
外資系顧客向けシステムエンジニア/システムインテグレータ・ソフトハウス
株式会社リファルケ
- 東京都
- 年収450万円~1,260万円
- 正社員
-
電子決済カスタマーサポート/外資系企業だからこそ/続けたくなる仕事
TDCXJapan株式会社
- 東京都
- 月給26万5,000円~
- 正社員
-
貿易事務/流通関連 駅チカ/外資系企業/20-30代活躍中
株式会社スタッフサービス ミラエール
- 東京都
- 月給20万6,000円~
- 正社員