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中国が仕掛ける「沖縄と台湾をめぐる認知戦」流布される5つの言説
彼は前項であげた、「沖縄県の米軍基地への反対」、「沖縄(琉球)独立の主張」、「中国と琉球の交流」、「台湾は中国の一部分という主張の支持」を訴えている。
彼にはWeiboで124,000人のフォロワーがおり、辺野古基地移転反対の署名を20万人以上から集めたこともある。国連で演説を行うという国際的な活動も行っていて、2019年には沖縄からすべての米軍基地の撤去と、独立を求める団体「琉球和平联盟」を設立した。
ハワイ、アラスカ、西パプア、カタルーニャ、カシミールなど、独立運動を行う他の地域との連帯も表明している。アメリカの親中NPOのコード・ピンクやノー・コールド・ウォーなどとも関係があり、国際的に活躍している。
最近では「占領された沖縄」というドキュメンタリー映画を製作した。予告編がYouTubeにアップされている。
映像の中で彼は沖縄の人々に立ち上がることを訴えているが、言語はすべて英語となっている。注目すべきは予告編1分32秒で映される「国連勧告」だ。2008年以降、国連は日本に対して沖縄に住む人々を先住民と認めるべきであるという勧告を6回出している。外務省はこれに対して、先住民という認識はないと対応している。
私は専門家ではないので、どちらなのかはわからないが、仮に国連の主張を日本政府が認めた場合(ないと思うが)、言語の保存など必要な措置を執らなくてはいけなくなるし、不当に支配しているという指摘も出て来そうだ。
そして、軍事施設は撤去しなければならなくなる。
Rob Kajiwaraの主張の多くは、沖縄県民の多数が願っていることではなく、これもまた日本や沖縄と離れたところで進んでいる事態だ。
中国語での拡散、ハワイ、アラスカ、西パプア、カタルーニャ、カシミールなどとへの連携の呼びかけ、英語でアメリカ在住の親中派インフルエンサーを使った米国と国連での活動を考えると、前述のような中国国内の世論操作や日本へのゆさぶりと分断に加えて国際的な世論の喚起を狙ったものと考えられる。
そして、沖縄認知戦はこの地域における中国の戦略的な意図と連動していると解釈できそうだ。その中でも日本にとって身近で大きな問題は台湾併合だ。
台湾併合
現在のところ、ごく一部をのぞいて当事国に有事を望んでいる勢力はない。非軍事的手段による併合の可能性が高く、それは和平協定のような形を取ると予想されている。
ただし、非軍事的手段だからといって、軍事的な緊張がなくなるわけではなく、むしろ逆で軍事的緊張は台湾併合に向けて非常に高いレベルまで上がってゆく。
中国にとっての認知戦は、「軍事的優位を政治的勝利に結びつける」ことであり、アメリカがベトナムやアフガニスタンで軍事力で優位にありながら政治的勝利を得られなかったことから教訓を得ている。
ロシアが行っているデジタル影響工作に比べると異なる点がいくつかある。大きく違うのは「正当性」の主張だ。昔風に言うと、「大義」を示すことが重要とされている。
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