ロシア、欧州へのハイブリッド攻撃激化 オランダ情報機関が報告
[ハーグ 22日 ロイター] - オランダの情報機関、軍情報保安局(MIVD)は22日、年次報告書で、ロシアがオランダと欧州の同盟国の社会を混乱させるため「ハイブリッド攻撃」を強めていることを明らかにした。
MIVD幹部は「オランダの公共サービスの乗っ取りを狙ったロシアによるサイバー妨害行為が初めて確認された」と説明した。このほか、オランダの重要インフラに対する準備段階とみられるサイバー作戦を確認したことも指摘した。
欧米諸国は近年、ロシアと中国によるハイブリッド攻撃の脅威が強まっていると指摘している。重要インフラの物理的破壊のほか、偽情報活動、スパイ行為、サイバー攻撃などが含まれており、MIVDは、ロシアの機関がスパイ目的で北海のインフラ情報を収集していることや、インターネットケーブル、水道やエネルギー供給を対象とした破壊工作を改めて警告した。
報告書は、中国がロシアの軍事作戦への支援や台湾に対する強硬姿勢を続けており、依然として欧州での深刻な脅威となっているとも指摘。中国は投資やスパイ活動を通じ、オランダの半導体産業などを対象に技術情報などを収集しようとしていると言及した。昨年の報告書では、中国によるサイバースパイ活動は当初の想定よりも大規模で、欧米の政府や防衛関連企業を対象としていると指摘していた。
MIVD幹部は、ロシアが軍事力増強のペースを加速させているとして、欧州での軍事力強化の必要性についても強調した。