ブラジル、金利変動型国債の割合が過去最高 公的債務の再検討リスク高まる

ブラジル政府は、短期金利の変動によって影響を受ける金利変動型国債の割合が2025年に記録的水準に達し、公的債務の再検討を迫られるリスクが高まっていることを認めた。写真はブラジリアのブラジル中銀本店周辺、昨年12月撮影(2025年 ロイター/Adriano Machado)
[ブラジリア 16日 ロイター] - ブラジル政府は、短期金利の変動によって影響を受ける金利変動型国債の割合が2025年に記録的水準に達し、公的債務の再検討を迫られるリスクが高まっていることを認めた。その上で、見通しの改善に向けて財政再建を進める必要があると強調した。
15日に議会に送付された26年予算ガイドライン法案の財政リスクに関する付属書で、財務省は25年の公的債務のうち62.1%が短期の金利変動の影響を大きく受けると試算した。前年の付属書では56.6%になると予想されていた。
この中には利回りがブラジル中央銀行の政策金利に連動する債務と、12カ月以内に満期を迎える債券が含まれており、これらは借り換えコストも政策金利の影響が直撃する。
財務省は現在、短期金利の影響を受ける公的債務が28年に58.9%に達すると見込んでいる。これは従来見通しの51.2%から上昇した。
財務省は昨年、急激な支出拡大を受け、金利変動型国債を通じた借り入れに大きく依存するようになった。中銀は根強いインフレを抑え込むために政策金利を引き上げており、それに伴って国債利回りが上がることになる。
中銀は昨年9月以降、政策金利を3.75%ポイント引き上げて14.25%とした。今年5月の次回金融政策委員会(COPOM)で追加利上げを決めることを既に示唆している。
付属書は、金利変動型国債の割合が上昇したことで財政再建を巡る不確実性が高まり、長期固定金利型国債や物価連動型国債の発行を妨げていることを認めた。その上で「市場リスクを反転させるには、財政再建のためのより有利な環境と、より低コストの国債発行が必要になる」と指摘した。
政府は今月15日、26年にプライマリーバランス(基礎的財政収支)を黒字化させ、国内総生産(GDP)比で0.25%の黒字を目指すと発表した。黒字化すれば、ルラ大統領の今期在任中では初めてとなる。
ブラジルの銀行イタウ・ウニバンコは16日、26年のプライマリーバランスがGDP比0.8%の赤字になると予想した。