米相互関税の大半停止でも安心できず=シンガポール首相

4月16日、シンガポールのウォン首相(写真)は、米国の関税措置によって世界情勢には既に大きな不確実性が生じていると指摘し、トランプ米大統領が「相互関税」の大半を90日間停止したからといって、安心できる余地はほとんどないと訴えた。写真は昨年11月、タイ・バンコクで撮影(2025年 ロイター/Athit Perawongmetha)
[シンガポール 16日 ロイター] - シンガポールのウォン首相は16日、米国の関税措置によって世界情勢には既に大きな不確実性が生じていると指摘し、トランプ米大統領が「相互関税」の大半を90日間停止したからといって、安心できる余地はほとんどないと訴えた。
ウォン氏は、米中間の貿易戦争によって両国間の貿易取引はやがて停止すると予想。それに伴う「苦痛は米中だけでなく、どの国にも感じられるだろう」と述べた。
同氏は、トランプ氏は相互関税の一部を90日間停止したが、米国は依然として10%の基本関税を課していると説明。「どの企業も、関税が即時に変更され得ると知りながら、長期の投資を心地よく計画することはできない」と語り、貿易戦争は米中経済のデカップリング(切り離し)を加速するとの見通しを示した。
さらにウォン氏は「われわれが目の当たりにしているのは、世界経済が1つの統合された形態ではなく、米中を中心にますます分断されたエコシステムとして再構築されている状況だ」と話した。