韓国中銀が金利維持、今後の利下げを示唆 「重大」リスクに対処へ
Cynthia Kim Jihoon Lee
[ソウル 17日 ロイター] - 韓国銀行(中央銀行)は17日、政策金利を2.75%に据え置くことを決めた。ただ、米関税に伴う「重大な」経済リスクに対処するため、5月以降の利下げを示唆した。
ロイター調査ではエコノミスト37人のうち24人が据え置きを予想していた。
李昌ヨン総裁は、経済の不確実性に対応する用意があると強調。記者会見で「私のことはさておき、6人の委員会メンバー全員が今後3カ月の政策の道筋について利下げに前向きだ」と述べた。
中銀は声明文で、過去最悪の山火事や国内の政治的混乱を主因に第1・四半期の経済が縮小した可能性を警告した。
李総裁はトランプ米政権が引き起こした世界的な貿易ショックに重点を置き、「成長に対する下振れリスクは大幅に拡大している」と指摘。「米関税政策の強さと主要国の対応が短期的に急速に変化していることを考えると、将来の成長経路に関する不確実性は非常に大きく、基本的なシナリオを設定することさえ困難だとわれわれは考えている」と述べた。
教保証券のアナリスト、ペク・ユンミン氏は「総裁が政策金利について委員6人の見解に言及したことから、5月に金利は引き下げられる可能性が高い」とコメント。政策金利は年内に2.25%に達する可能性があるが、前年比の成長率が1%を下回ればさらに引き下げられる可能性もあるとした。
ウォンは総裁会見を受けて下げ幅を縮小し、0.16%安の1ドル=1418.1ウォンとなった。