米下院の民主党議員50人弱、DOGEのAIシステム使用停止を要求

米議会下院の50人弱の民主党所属議員は、実業家イーロン・マスク氏が率いる「政府効率化省(DOGE)」が政府支出削減のための職員解雇などに使っている無許可の人工知能(AI)システムについて、使用をやめさせるようにホワイトハウスの行政管理予算局(OMB)に書簡で要求した。米首都ワシントンで4日撮影(2025年 ロイター/Leah Millis)
[16日 ロイター] - 米議会下院の50人弱の民主党所属議員は、実業家イーロン・マスク氏が率いる「政府効率化省(DOGE)」が政府支出削減のための職員解雇などに使っている無許可の人工知能(AI)システムについて、使用をやめさせるようにホワイトハウスの行政管理予算局(OMB)に書簡で要求した。ロイターが確認した書簡によると、「適正に処理しなければ深刻なセキュリティーリスク、自己取引、刑事責任を負いかねず、適切なAI導入を損なう恐れがある」と警告した。
要求を主導したのはドナルド・ベイヤー、マイク・レビン、メラニー・スタンズベリー各下院議員。DOGEがAIを使って職員を監視したり、機密データにアクセスしたりしていることが報告されていると懸念を示した。
ロイターは先週、トランプ政権が敵対的だとみなしている職員のコミュニケーション内容を探し出すためにAIが利用されており、DOGEはマスク氏が創業した「xAI」の対話型生成AI「Grok(グロック)」の技術を重用していると複数の政権関係者の話として報じた。
OMBはコメントへの要請にすぐには回答しなかった。
書簡はトランプ政権の利益相反にも警鐘を鳴らし、「マスク氏が政府のAIサービスの主要なプロバイダーとなるために契約を追求すれば、(利益相反は)急激に悪化する 」と問題視した。
政府の特別職員であるマスク氏は、自身の企業に利益をもたらす連邦政府の活動に関与することはできないと倫理規定で定められている。
マスク氏はコメントの要請にすぐには返答しなかった。
環境保護局(EPA)は以前、より効率的な運営のためにAIの利用を検討しているものの、「DOGEと連携した人事決定」には使用していないとコメントしていた。