世銀総裁、途上国に関税引き下げ呼びかけ 世界経済下振れを予想

4月16日、世界銀行のバンガ総裁は、発展途上国に貿易自由化を促した。米首都ワシントンで2024年10月撮影(2025年 ロイター/Nathan Howard)
Andrea Shalal
[ワシントン 16日 ロイター] - 世界銀行のバンガ総裁は16日、発展途上国に貿易自由化を促した。多くの途上国が先進国より高い関税を維持しているとし、関税を引き下げることで相互関税のリスクを軽減できるとの見方を示した。
米国の関税や中国などの報復措置を受けてここ数カ月で生じた世界的な不確実性が、より慎重な事業・経済環境につながっていると記者団に述べた。
影響は国ごとに異なるとしつつ、世界経済は数カ月前に予測していた水準より鈍化すると見通した。具体的な予想は示さなかった。
世銀は1月、今年と来年の世界経済成長率を2.7%と予想し、米国が10%の一律関税を課し、貿易相手国も報復関税を発動した場合、今年の成長率を0.3%ポイント下押しすると警告していた。
バンガ氏は各国が貿易問題を巡り交渉し、対話すべきだと強調した。また、途上国にとって地域統合深化の重要性にも言及し、地域や2国間貿易の流れを維持するため、意欲的なパートナーと協力すべきだと述べた。