イスラエル軍、停戦合意でもガザの緩衝地帯から撤退せず=国防相

4月16日、イスラエルのカッツ国防相は、パレスチナ自治区ガザでの和平合意が成立した場合でも、イスラエル軍はガザの「緩衝地帯」に駐留を続けると表明した。写真は、イスラエル側から見たガザから立ち上る煙。4月14日、イスラエルとガザの国境で撮影(2025年 ロイター/Amir Cohen)
James Mackenzie Nidal al-Mughrabi
[エルサレム/カイロ 16日 ロイター] - イスラエルのカッツ国防相は16日、パレスチナ自治区ガザでの和平合意が成立した場合でも、イスラエル軍はガザの「緩衝地帯」に駐留を続けると表明した。
イスラエル軍は先月、軍事作戦を再開して以来、ガザで地元住民の立ち入りを禁じる「緩衝地帯」を拡大させている。
カッツ氏は軍司令官らとの会談後に声明を発表し、「これまでとは異なりイスラエル軍は掃討・占領した地域から撤退することはない」と明言した。
「ガザにおけるいかなる一時的または恒久的な(停戦)状況下においても、イスラエル軍は住民と敵との間の緩衝地帯に留まる。レバノンやシリアと同様だ」と述べた。
イスラエル軍は現在、ガザの30%を支配していると発表している。
イスラエルは3月上旬からガザへの救援物資の搬入を阻止している。カッツ氏は民間企業が将来的に援助物資を配布するためのインフラを整備中だとしながらも、封鎖を続ける方針を示した。
またイスラエルはガザ地区からの移住を希望する住民に移動の許可を与える計画を模索すると述べた。
イスラエルは停戦の条件としてガザのイスラム組織ハマスの武装解除を求めている。一方、ハマスは武装解除を拒否し、イスラエル軍の撤退を要求している。
ハマスは16日の声明で、「戦争の停止、部隊の完全な撤退、封鎖の解除、復興の開始について実質的な保証のない停戦は政治的なわなだ」と述べた。