中国、米国への渡航・留学に警告 関税巡る関係悪化で

中国文化観光省は9日、足元の経済・貿易関係の「悪化」を理由に、米国を訪れる国民に対して渡航勧告を発表した。(2025年 ロイター/Dado Ruvic/Illustration)
Joe Cash Yukun Zhang Ethan Wang
[北京 9日 ロイター] - 中国文化観光省は9日、足元の経済・貿易関係の「悪化」を理由に、米国を訪れる国民に対して渡航勧告を発表した。教育省は、米オハイオ州への留学を検討している学生に対し、最近の同州の教育法案に中国に「否定的な」条項が含まれているとの警告を示した。
旅行と教育は、米国の対中サービス輸出の大きな柱となっている。
米中国間の関税報復合戦は一段と激化しており、その影響は多方面に波及。懸念の声は、一般の中国国民の間からも聞こえ始めている。
上海在住のリン・ワンフアさん(20)は、「状況はすでに世界的なレベルで金融・貿易戦争に発展している」と指摘。もし全体的な環境が悪化するようなことになれば、大学卒業生の雇用状況は一段と悪化するとの懸念を示す。
こうした中、中国は関税関連のオンライン検閲を開始。短文投稿サイト「微博」(ウェイボー)では、「関税」や「104」のハッシュタグや検索がほとんどブロックされているという。