米相互関税が発動、貿易戦争激化 中国は累計104%

4月9日、トランプ米政権は相互関税を発動した。中国に対する追加関税は累計104%となる。一部の国とは交渉の準備を進めているものの、世界的な貿易戦争が激化することになる。米テキサス州のコンテナターミナルで7日撮影(2025年 ロイター/Adrees Latif)
(第4段落の「8日」を「9日」に訂正します)
Joe Cash Trevor Hunnicutt
[北京/ワシントン 9日 ロイター] - トランプ米政権は9日、相互関税を発動した。中国に対する追加関税は累計104%となる。一部の国とは交渉の準備を進めているものの、世界的な貿易戦争が激化することになる。
トランプ大統領は関税を「恒久的なもの」と表現する一方で、他国の首脳に米国との交渉を求めるよう圧力をかけており、相互関税が長期化するかどうかは不透明。
トランプ氏は8日午後にホワイトハウスで開かれたイベントで「取引(ディール)を望む国がたくさん来ている」と発言。その後のイベントでは、中国も合意を目指すことを期待すると述べた。
トランプ政権は日韓政府との会談を予定。来週にはイタリアのメローニ首相が訪米する。ベトナム政府も9日(訂正)にベッセント財務長官と会談する予定だ。
中国政府は「米国が自らの考えだけで行動するなら、中国は最後まで付き合うだろう」とし、米国の措置に対抗する姿勢を示している。
相互関税は第1弾の一律10%分が5日に発効。今回の第2弾は米東部時間9日午前0時1分(日本時間午後1時1分)に発効した。
エコノミストは、貿易戦争の結果、スニーカーからワインまで米国の消費者物価が軒並み上昇する可能性と予想している。
ただ、午前0時時点ですでに輸送中の物品は5月27日までに米国に到着する限り、関税の適用が免除されるため、本格的な影響が出るまでにはしばらく時間がかかる可能性もある。
ロイター/イプソスの調査によると、米国民の73%が今後6カ月以内に幅広い日用品の価格が上昇すると考えている。
トランプ氏は8日、中国が米国の関税の影響を相殺するために為替操作を行っていると非難。医薬品に対する「大規模な」関税を近く発表する方針も示した。