原油先物約4%安、4年超ぶり安値 米が対中104%関税発動へ

9日アジア時間の原油先物は、序盤の取引で4年超ぶりの安値に沈んだ。写真は2月18日、テキサス州ミッドランドで撮影(2025年 ロイター/Eli Hartman)
[シンガポール 9日 ロイター] - 9日アジア時間の原油先物は、序盤の取引で4年超ぶりの安値に沈んだ。米中関税合戦の激化による需要懸念や、供給増加の見通しが重しとなった。
0108GMT(日本時間午前10時08分)時点で、北海ブレント先物は2.13ドル(3.39%)安の1バレル=60.69ドル。米WTI先物は2.36ドル(3.96%)安の57.22ドル。ブレントは2021年3月以来の安値、WTIは21年2月以来の安値を付けた。
両先物はトランプ米大統領による相互関税発表以降、経済成長や燃料需要への影響を巡る懸念から、5日続落となっている。
米ホワイトハウスは8日、中国からの輸入品に9日から104%の関税を課すと発表した。
ライスタッド・エナジーの石油商品市場担当バイスプレジデント、イェ・リン氏は「中国の強硬な対抗姿勢は(米中間の)迅速な合意の可能性を低下させ、世界中で景気後退の懸念が高まっている」と述べた。
石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟産油国で構成する「OPECプラス」の有志8カ国が先週、5月から生産を日量41万1000バレル拡大すると決定したことも、原油安に拍車をかけている。