新たな核軍縮条約、早期締結の可能性ほぼない=ロシア高官

ロシア大統領府(クレムリン)の高官らは8日、米国との新たな核軍縮条約を早期に締結できる可能性はほとんどないとの考えを示した。写真はペスコフ報道官。2024年12月、モスクワで撮影(2025年 Sputnik/Pool via REUTERS)
Guy Faulconbridge Dmitry Antonov
[モスクワ 8日 ロイター] - ロシア大統領府(クレムリン)の高官らは8日、米国との新たな核軍縮条約を早期に締結できる可能性はほとんどないとの考えを示した。十分な信頼関係が築かれていないためとし、多くの他の諸国が核兵器を獲得するだろうと警戒を示した。
米ロの核軍縮合意である新戦略兵器削減条約(新START)は2026年2月に期限を迎えるが、軍備競争抑制と核戦争リスク軽減を目指した複数の軍備管理条約は崩壊し、中国では核兵器が急速に増強されている。
ペスコフ大統領報道官は新STARTに代わる条約の見通しを記者団に問われ、「現時点でそうした交渉の開始は非常に考えにくい」と述べた。
さらに、このような複雑な戦略問題を議論するには一定レベルの相互信頼が必要と指摘。ロシアと米国の間でその信頼はまだ回復されていないが、プーチン大統領とトランプ米大統領に政治的な意志があれば回復の可能性があると述べた。