インドネシア中銀、ルピア防衛へ介入 アジア金融危機以来の安値

3月25日、インドネシアの中央銀行は通貨ルピアを防衛するため、外国為替市場に介入した。写真は同行のロゴ。2016年5月、ジャカルタの本部で撮影(2025年 ロイター/Darren Whiteside)
Stefanno Sulaiman
[ジャカルタ 25日 ロイター] - インドネシアの中央銀行は25日、通貨ルピアを防衛するため、外国為替市場に介入した。政局、政府支出、資本逃避に対する懸念の高まりから、ルピアは一時、アジア金融危機以来の安値水準に下落した。
ルピアは午前の取引で0.54%下落、1ドル=1万6640ルピアを付けた。世界市場の不透明感や、インドネシアの財政健全性と成長見通しを巡る懸念を受けて下げ幅を拡大した。
中銀関係者がロイターに語ったところでは、ルピアが25年ぶりの安値へと下げる中、中銀はスポット通貨、債券、国内ノン・デリバラブル・フォワード(NDF)市場に介入した。
LSEGのデータによると、ルピアの史上最安値はアジア金融危機のさなかの1998年6月に記録した1万6800ルピア。
中銀の金融・証券資産運用担当ディレクター、フィトラ・ジュスディマン氏は「トランプ米大統領の関税政策や地政学的な混乱の影響、すなわち貿易戦争が中国やアジア新興国に与える影響を背景に、世界的になお不透明感が強い」と指摘した。
ルピアはその後下げ幅を縮小し、0515GMT(日本時間午後2時15分)現在、1ドル=1万6590ルピアで取引されている。