韓国首相の弾劾棄却、大統領代行に復帰 憲法裁は尹氏巡り近く判断

韓国の憲法裁判所は3月24日、韓悳洙首相(写真)に対する弾劾訴追を棄却し、同首相の職権を回復する判断を示した。2024年5月、ソウルで撮影(2025年 ロイター/Kim Soo-hyeon)
Joyce Lee Jihoon Lee
[ソウル 24日 ロイター] - 韓国の憲法裁判所は24日、韓悳洙首相に対する国会の弾劾訴追を棄却し、大統領代行の権限を回復する判断を示した。
韓氏は昨年、戒厳令宣布を巡り弾劾訴追された尹錫悦大統領の職務を代行したが、2週間足らずで自身も弾劾訴追され、職務停止となった。憲法裁の決定を受け、韓氏は大統領代行に即時復帰する。
韓氏は判決後、テレビを通じ「憲法裁が下した英断に感謝する」とコメント。自身の職務停止中に懸命に働いてくれたとして閣僚らにも謝意を示した上で、「われわれは協力し、世界的な変化への対応を準備・実行し、地政学的に大きな変革の時代にあっても韓国が引き続き発展を遂げるよう努めていく」と述べた。
また、「大統領代行として、安定した国家運営の維持に全力を尽くし、貿易戦争において国益を守るためにあらゆる知恵と能力を投入する」と表明した。
野党が主導する国会は昨年12月27日、韓氏の弾劾訴追案を可決。同氏が尹大統領の戒厳令宣布阻止に十分な努力をしなかったなどとしていた。
憲法裁は7対1で弾劾を棄却した。判事8人のうち5人は、韓氏に対する弾劾動議を有効としながらも、同氏が戒厳令宣布や反乱に関する国内法や憲法に違反していないため、弾劾する十分な根拠がないと判断した。
一方、判事2人は韓氏に対する弾劾動議が国会議員の3分の2以上の賛成を得なかったため、動議自体が無効だとした。判事1人は弾劾が妥当との見解を示した。
憲法裁の尹大統領に対する判断は数日以内に下される見通し。尹氏は内乱主導罪で刑事裁判にも直面している。