米効率化省の社会保障記録アクセス差し止め、連邦地裁

3月20日、米社会保障局(SSA)が実業家イーロン・マスク氏の「政府効率化省(DOGE)」に国民の個人情報への「無制限のアクセス」を認めたのは、個人情報関連法違反の可能性があるとして、東部メリーランド州の連邦地裁は、社会保障記録の共有を差し止める命令を出した。ホワイトハウスで11日撮影(2025年 ロイター/Kevin Lamarque)
Jack Queen Tim Reid
[20日 ロイター] - 米社会保障局(SSA)が実業家イーロン・マスク氏の「政府効率化省(DOGE)」に国民の個人情報への「無制限のアクセス」を認めたのは、個人情報関連法違反の可能性があるとして、東部メリーランド州の連邦地裁は20日、社会保障記録の共有を差し止める命令を出した。
地裁のホランダー判事は、DOGEがトランプ政権下で実施している不正や公的支出の無駄に関する調査の一環で「何百万人もの国民の個人的問題」に触れていると指摘。「SSAの不正や浪費、不適切な管理の一掃が公益目的なのは確かだが、政府が法律を順守しなくても良いわけではない」と述べた。
SSAの元職員と現職職員がロイターに語ったところによると、DOGEがアクセスしたシステムの一つは、1930年代のSSA設立以来、社会保障番号を申請し発行された全員の個人情報が蓄積されている「重要資産」だという。
DOGEはコメント要請に応じなかった。ホワイトハウス関係者は、この判決を批判した。
二つの労働組合と民主主義擁護団体デモクラシー・フォワードは、適切な審査や研修を受けずに配置されたDOGEのメンバーが、極めて慎重な取り扱いを要するSSAのデータシステムへのアクセスを要求したとして、SSAとマスク氏、DOGEを訴えていた。
原告のデモクラシー・フォワードのペリーマン最高経営責任者(CEO)は、今回の地裁判決はデータプライバシーにとって重要な勝利だと述べた。