イスラエルのインフレ、今年後半に鈍化か=中銀議事要旨

3月10日、イスラエル中央銀行が公表した2月24日の金融政策委員会の議事要旨によると、国内インフレ率が今年後半に鈍化する可能性があるとの楽観的な見通しが挙がった。ただ、パレスチナ自治区ガザでのイスラム組織ハマスとの武力衝突を巡る不透明要因から、インフレ見通しには慎重姿勢を残す両にらみの形ともなった。写真はエルサレムにある中銀本店。2020年6月撮影(2025年 ロイター/Ronen Zvulun)
Steven Scheer
[エルサレム 10日 ロイター] - イスラエル中央銀行が10日公表した2月24日の金融政策委員会の議事要旨によると、国内インフレ率が今年後半に鈍化する可能性があるとの楽観的な見通しが挙がった。ただ、パレスチナ自治区ガザでのイスラム組織ハマスとの武力衝突を巡る不透明要因から、インフレ見通しには慎重姿勢を残す両にらみの形ともなった。
2月会合では全委員5人が政策金利を4.50%に据え置くことで一致した。金利据え置きは9会合連続。今回の政策決定の背景には1月のインフレ率が3.8%と前月から加速し、依然として中銀目標の1-3%を大幅に上回ったことがあった。
中銀はインフレ加速の要因として増税などを挙げ、今年後半にはインフレ率が3%未満に戻る可能性があるとの見方を示した。
ただ議事要旨は「インフレ率が加速する、もしくは目標範囲に戻らないリスクがいくつか存在する」とも指摘。「地政学的な動向とそれが経済活動に与える影響、供給制約の長期化、通貨シェケルの変動、財政政策の動向」などを具体的なリスク要因に挙げた。
労働市場は引き続き引き締まっており、1月の失業率は2.8%と、2023年10月以降の対ハマス武力衝突前の水準を下回っている。それでも中銀のヤロン総裁は、インフレ率が目標範囲に戻れば年内に1回ないし2回の利下げが可能との見解を示している。