韓国憲法裁、尹大統領弾劾審判で最終弁論 罷免の可否判断へ

韓国憲法裁判所は25日、尹錫悦大統領の「非常戒厳」宣言を巡り、弾劾審判の最終弁論を行った。憲法裁で20日代表撮影(2025年 ロイター)
Jack Kim
[ソウル 25日 ロイター] - 韓国憲法裁判所は25日、尹錫悦大統領の「非常戒厳」宣言を巡り、弾劾審判の最終弁論を行った。尹氏の罷免の是非は憲法裁判事の判断に委ねられることになる。
国会は尹氏が昨年12月3日に憲法に基づく正当な根拠を欠いた状態で非常戒厳を宣言したとして、同氏を弾劾訴追した。
憲法裁は弾劾の妥当性について事件を受理した12月14日から6カ月以内に判断を下す必要があるが、具体的な日程は明らかにされていない。
朴槿恵元大統領の弾劾審判では、最終弁論の11日後に決定が出された。尹氏が罷免された場合、60日以内に大統領選挙が行われる。
原告側の弁護士の一人は最終弁論で、尹氏を朴正煕、全斗煥両元大統領ら歴代の独裁的指導者になぞらえ、尹氏が国家を私物化し憲法を支配しようとしたと非難した。
「われわれはこれを独裁と呼んでいる。非常戒厳を宣言した瞬間に尹氏は大統領としての地位を事実上放棄した」と述べた。
別の弁護士は、尹氏が主張する不正選挙疑惑は陰謀論であり、選挙制度の信頼性に「致命的な」打撃を与えたと訴えた。
尹氏側はこれまでの審判で、戒厳令を布告する権利を有していたが完全な軍政を敷く意図はなく、野党による多数派の乱用を警告する目的だったと説明した。
非常戒厳解除のために集まった議員らを排除するため軍司令官らに議会への突入を命じたとの主張に対し、「実際には何も起こっておらず」誰も被害を受けていないため、議論しても意味がないとの立場を示した。