ロシア、ウクライナへの欧州平和維持部隊派遣に改めて反対 米の姿勢評価

ロシア政府は25日、欧州が平和維持部隊をウクライナに派遣することは受け入れられないとの立場を改めて示した。2024年12月撮影。ロシア大統領府提供(2025年 ロイター)
[モスクワ/ワシントン 25日 ロイター] - ロシア政府は25日、欧州が平和維持部隊をウクライナに派遣することは受け入れられないとの立場を改めて示した。
トランプ米大統領は24日、停戦後のウクライナに欧州が平和維持部隊を派遣する構想に支持を表明し、ロシアのプーチン大統領も受け入れるだろうと述べていた。
ロシアは以前から北大西洋条約機構(NATO)がウクライナに駐留することに反対しており、ラブロフ外相は先週、たとえ軍隊がNATOの旗を掲げていなくてもロシアの主権に対する「直接的な脅威」とみなすと述べている。
ロシア大統領府のペスコフ報道官は、トランプ氏の発言について質問を受け「この件については、ラブロフ外相が立場を表明している。私はこれに付け加えることは何もなく、コメントはしない」と述べた。
公の場でトランプ氏の発言に異論を唱えることは控えながらも、欧州諸国によるウクライナへの平和維持部隊派遣に対する事実上の反対姿勢を改めて確認した格好となる。
国連安全保障理事会で24日、ウクライナ紛争に関して米国が提出した決議案が採択されたことに関し、ウクライナに関する米国のスタンスがはるかにバランスがとれたものになったと評価した。
「米国はよりバランスのとれた立場を取っており、ウクライナ紛争の解決に向けた取り組みに役立つとわれわれは考える」とし、「われわれはこれを歓迎する。そのバランスのとれたスタンスは、和解に貢献したいという真の意欲の表れだと信じている」と述べた。
米国家安全保障会議(NSC)のブライアン・ヒューズ報道官は、ペスコフ報道官の発言に対する直接的なコメントは避け、トランプ政権は戦争終結に向けた取り組みを続けていくと表明。欧州が一段の役割を果たす必要があると認識しているとしたほか、戦争終結には双方との対話が必要になるため、米国はロシアとウクライナの両国と平和に向けた取り組みを継続していると語った。