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世界のLNG需要、40年までに60%増加へ=英シェル

2025年02月25日(火)19時07分

 2月25日、英シェルは、液化天然ガス(LNG)に関する年次報告書を公表し、世界のLNG需要が2040年までに約60%増加するとの見通しを示した。カナダ・バンクーバーで2023年7月撮影(2025年 ロイター/Chris Helgren)

Marwa Rashad Emily Chow

[ロンドン/シンガポール 25日 ロイター] - 英シェルは25日、液化天然ガス(LNG)に関する年次報告書を公表し、世界のLNG需要が2040年までに約60%増加するとの見通しを示した。

LNG需要は40年までに年間6億3000万─7億1800万トンに達すると予測している。アジアの経済成長、人工知能(AI)の影響、重工業と輸送部門における温室効果ガス排出量削減の取り組みを要因として挙げた。

昨年の予想は6億2500万─6億8500万トンだった。

シェルのシニア・バイス・プレジデント、トム・サマーズ氏は上方修正について、「開発と脱炭素化の目標を達成するために、世界で発電、冷暖房、産業、輸送用にさらに多くのガスが必要となることを示している」と分析した。

シェルは特にアジアでの需要増加に対応するため、30年までに1億7000万トン以上のLNGを新たに供給できると予測している。

LNG供給の大幅な増加は最大の輸出国である米国によるもので、30年までに年間1億8000万トンに達し、世界の供給量の3分の1を占める可能性があると予想した。

24年の世界のLNG取引量は、前年比200万トン増の4億700万トンだった。新規供給開発に対する制約により、過去10年で最も小幅な増加にとどまった。

アジアでは昨年上半期、LNG需要が堅調に推移した。価格低下と気温上昇で発電需要が高まった。一方、欧州では第1・四半期から第3・四半期にかけて需要が減少したが、その後は寒冷な気候により在庫減少が加速したため回復に転じた。

ロイター
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