インドCPI、1月は5カ月ぶり低水準 追加利下げ観測強まる
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インド政府が12日発表した1月の消費者物価指数(CPI)の前年同月比上昇率は4.31%となり、2024年8月(3.65%)以来、5カ月ぶりの低水準となった。写真は2023年8月、アーメダバードで撮影(2025年 ロイター/Amit Dave)
Nikunj Ohri Sarita Chaganti Singh
[ニューデリー 12日 ロイター] - インド政府が12日発表した1月の消費者物価指数(CPI)の前年同月比上昇率は4.31%となり、2024年8月(3.65%)以来、5カ月ぶりの低水準となった。エコノミストらの市場予想の4.6%より低く、前月の5.22%から鈍化した。
食品のインフレ率が6.02%となり、前月の8.39%から大きく緩和したことが全体を押し下げた。インドは経済成長が鈍化しており、今回の結果を受けてインド準備銀行(中央銀行)が追加利下げに踏み切るとの見方が強まった。
中銀は今月、経済を押し上げるために主要金利のレポレートを約5年ぶりに引き下げた。また、政府は1日に発表した2025年度予算案(25年4月―26年3月)で、消費拡大に向けた所得税の大幅減税を盛り込んだ。
中銀は先週、24年度のインフレ率が前年度比で平均4.8%となり、25年度は4.2%に鈍化するとの予想を発表している。
キャピタル・エコノミクスのエコノミスト、ハリー・チェンバース氏は「1月のCPIの急減速は、中銀が今後数カ月間にわたって経済を下支えするために金融緩和を続けるとの見方を補強している」と述べた。
中銀はインフレ率目標を4%プラスマイナス2%ポイントに設定している。
今年1月の野菜価格の前年同月比上昇率は11.35%となり、前月の26.60%から縮小。穀物価格は前月の6.50%から6.24%へ、豆類は3.80%から2.59%へそれぞれ鈍化した。
2人のエコノミストによると、食品やエネルギーなどの価格変動が大きい品目を除いたコアインフレ率は1月に3.7%となり、前月の3.6%から拡大した。コアインフレ率は内需をより正確に示すとみなされている。
マルホトラ総裁は先週、中銀はインフレに対するあらゆる圧力を警戒しており、ルピー安が国内物価に与える影響を注視すると表明。ルピーが5%下落すると、国内インフレ率に0.30―0.35%ポイントの影響を与えると説明した。
トランプ米政権が輸入品にさまざまな関税を課すと表明していることで貿易戦争が拡大するとの警戒感が出ており、2月には過去最安値となる1ドル=87.95インドルピーを付けた。
インドのモディ首相は12日から2日間の訪米で、エネルギーと防衛関連品目の輸入拡大を米国に提案する見込みだ。