ニュース速報
ワールド

トランプ氏、南ア援助凍結の大統領令に署名 土地政策を批判

2025年02月10日(月)10時01分

 2月8日、トランプ米大統領は南アフリカへの資金援助を凍結する大統領令に署名した。7日、ワシントンで撮影(2025年 ロイター/Kent Nishimura)

Kanishka Singh Steve Holland

[ワシントン 8日 ロイター] - トランプ米大統領は南アフリカへの資金援助を凍結する大統領令に署名した。ホワイトハウスが7日に明らかにした。

米国は、南アの土地政策と同国が国際司法裁判所(ICJ)に対し、イスラエル軍によるパレスチナ自治区ガザへの攻撃をジェノサイド(民族大量虐殺)と主張していることが理由としている。

直近の米政府データによると、米国は2023年に南アに約4億4000万ドルを援助した。

南ア外務省は8日、大統領令は「事実の正確性を欠き、南アの植民地主義とアパルトヘイト(人種隔離)の深く辛い歴史を認識していない」と指摘した。

ホワイトハウスは、米政府が南アの白人農民とその家族を難民として再定住させる計画も策定すると説明した。米当局は、南アに住むアフリカーナ人(その大半がオランダとフランスの初期入植者の子孫である白人)の米国難民受け入れプログラムによる受け入れと再定住を含め、人道的救済を優先する措置を講じる。

南ア外務省は、大統領令について「経済的に最も恵まれた状態にある南アのあるグループのために米国での難民認定を規定する一方で、世界の他の地域から米国に来た弱い立場の人々が、実際に困難な状況にあるにもかかわらず、強制送還されたり、保護を拒否されたりしているのは皮肉なことだ」と批判した。

トランプ氏は、南アが土地を没収しており、特定階級の人々が非常にひどい扱いを受けていると主張している。

南ア生まれの実業家イーロン・マスク氏は、南アの白人が人種差別的所有法の犠牲になっていると述べている。

先月成立した公益のために国家が土地を収用しやすくする南アの新法についてラマポーザ大統領は、国内の土地所有における人種間格差をなくすことを目的としているとして新法を擁護した。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米鉄鋼株が急伸、カナダドルやユーロ下落 トランプ氏

ビジネス

マクドナルド、第4四半期米既存店売上高が予想以上の

ワールド

ダライ・ラマが「正しい道に戻る」よう望む、14世の

ワールド

パリでAIサミット開催、技術革新と安全なAI活用議
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:中国経済ピークアウト
特集:中国経済ピークアウト
2025年2月11日号(2/ 4発売)

AIやEVは輝き、バブル崩壊と需要減が影を落とす。中国「14億経済」の現在地と未来図を読む

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「だから嫌われる...」メーガンの新番組、公開前から大炎上の納得理由
  • 2
    極めて珍しい「黒いオオカミ」をカメラが捉える...ポーランドで発見
  • 3
    メーガン妃の最新インスタグラム動画がアメリカで大反発を買う...「イメージアップを図るため」
  • 4
    研究者も驚いた「親のえこひいき」最新研究 兄弟姉…
  • 5
    36年ぶりの「絶頂シーン」...メグ・ライアンの「あえ…
  • 6
    iPhoneで初めてポルノアプリが利用可能に...アップル…
  • 7
    Netflixが真面目に宣伝さえすれば...世界一の名作ド…
  • 8
    ウクライナ戦争終結めぐる「見返り要求」に、ゼレン…
  • 9
    駆逐艦から高出力レーザー兵器「ヘリオス」発射...ド…
  • 10
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 1
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 2
    「体が1日中だるい...」原因は食事にあり? エネルギー不足を補う「ある食品」で賢い選択を
  • 3
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」を予防するだけじゃない!?「リンゴ酢」のすごい健康効果
  • 4
    教職不人気で加速する「教員の学力低下」の深刻度
  • 5
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 6
    戦場に響き渡る叫び声...「尋問映像」で話題の北朝鮮…
  • 7
    Netflixが真面目に宣伝さえすれば...世界一の名作ド…
  • 8
    研究者も驚いた「親のえこひいき」最新研究 兄弟姉…
  • 9
    メーガン妃の最新インスタグラム動画がアメリカで大…
  • 10
    「嫌な奴」イーロン・マスクがイギリスを救ったかも
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 5
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 6
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 7
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀…
  • 8
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性…
  • 9
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
  • 10
    戦場に「杖をつく兵士」を送り込むロシア軍...負傷兵…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中