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米消費者金融保護局を無力化、局長代行が業務停止と本部閉鎖指示

2025年02月10日(月)13時16分

2月9日、米消費者金融保護局(CFPB)のラッセル・ボート局長代行は、全活動の停止や予算凍結を指示、本部も一時閉鎖した。写真は同局の活動停止に反対する人々。8日、ワシントンで撮影(2025年 ロイター/Nathan Howard)

Douglas Gillison

[9日 ロイター] - 米消費者金融保護局(CFPB)のラッセル・ボート局長代行は、全活動の停止や予算凍結を指示、本部も一時閉鎖した。CFPBは事実上、無力化された。

ボート氏は6日、行政管理予算局(OMB)局長に就任。トランプ大統領は7日、CFPB局長代行の兼務を命じた。

8日付の発表によると、ボート氏は次期会計四半期の予算をゼロにすると表明。ロイターが入手した9日付の内部メールによると、ワシントン本部が向こう1週間閉鎖される。8日付の通達で「全ての監督・審査活動の停止」を指示した。

CFPBは2010年設立。金融危機の原因となった不良住宅ローン関連商品を生み出したセクターの監督を担い、銀行や消費者向け金融会社を管轄しているが、共和党は法的な権限を逸脱していると批判している。

一方、CFPBの職員は、実業者イーロン・マスク氏の利益相反を非難。CFPBは、マスク氏の事業やその競合企業の規制を担うが、同氏が率いる政府効率化省(DOGE)はCFPBのコンピューターシステムへのアクセス権を与えられているという。

マスク氏はCFPBを破壊すると宣言している。

CFPB職員の一部が加入する全米財務職員組合は、ボート氏の動きを阻止するため、ワシントンの連邦裁判所に訴訟を提起。ボート氏がCFPBの任務と予算を決める連邦議会の権限を損ない、憲法に違反していると訴えた。

金融セクターに対する政府監視強化を主張するベター・マーケッツのデニス・ケレハー代表は「CFPBを潰そうとする今回の試みは、基本的な金融商品・サービスに依存している全ての米国民にとって、またしても屈辱となった」と語った。

ロイター
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