中国の天然ガス輸入、今年増加へ 貿易戦争がリスク
1月24日、複数のエネルギーコンサルティング会社によると、中国の今年の天然ガス輸入は増加する見通し。液化天然ガス(LNG)の輸入は過去最高になると予測されている。内モンゴルの東勝ガス田で2018年撮影(2025年 ロイター/Stringer)
Emily Chow Chen Aizhu
[シンガポール 24日 ロイター] - 複数のエネルギーコンサルティング会社によると、中国の今年の天然ガス輸入は増加する見通し。液化天然ガス(LNG)の輸入は過去最高になると予測されている。
景気刺激策を受けて産業用ガスの需要が増える見通しだが、米中関係の緊張が重しになる可能性もある。
エネルギーコンサルティング会社3社の推定によると、今年の中国のLNGとパイプラインを通じた天然ガスの輸入は前年比約10%増の約2000億立方メートルとなる見通し。
ライスタッド・エネルギーによると、産業用ガスの需要が前年比で105億立方メートル増える見通し。中国の内需喚起策や不動産支援策を受けて、特に製鉄、セラミック、ガラス生産の分野で需要が増加するとみられている。
ただ、トランプ米大統領の下で米中の貿易紛争が激化すれば、製造業が打撃を受ける可能性があるという。
中国石油天然ガス集団(CNPC)は、今年の産業用ガス需要が「かなり急速に」伸びると予測。インフラ整備の加速や、電気自動車(EV)、リチウム電池、ソーラーパネルの製造拡大が背景という。
CNPCは今年の中国全体のガス需要を6.2%増の4485億立方メートルと予測。今後数年間の輸入依存度は45%近くで推移するとしており、輸入量はコンサルティング会社の予測と一致する。
<LNG輸入は過去最高に>
コンサルティング会社の予測によると、今年のLNG輸入は過去最高の7900万─8600万トンとなる見通し。新規の長期契約開始や新たな輸入ターミナルの稼働開始が背景。
税関のデータによると、昨年のLNG輸入は7665万トンと、過去3年間で最多だったが、2021年の水準を下回った。
米中関係の緊張で関税が導入されれば、米国からのLNG輸入が途絶える可能性があるほか、アジアのスポット価格上昇や中国の不動産危機長期化がLNG輸入を抑制する可能性もある。