ニュース速報
ワールド

インド、国内繊維産業支援へ バングラデシュ情勢受け輸出増に対応

2025年01月15日(水)11時02分

インドは国内の繊維産業支援に向け、来月発表する予算案で業界向け金融支援や国内生産を後押しするインセンティブなどを打ち出す。政府関係者2人が明らかにした。写真は2022年12月、アーメダバードで撮影(2025年 ロイター/Amit Dave)

Manoj Kumar

[ニューデリー 14日 ロイター] - インドは国内の繊維産業支援に向け、来月発表する予算案で業界向け金融支援や国内生産を後押しするインセンティブなどを打ち出す。政府関係者2人が明らかにした。

輸出業者によると、隣国バングラデシュで政治的混乱が続いていることから各国の小売業者は衣料品の輸入でインドを含めた代替手段を模索している。

北米や欧州の小売業者を顧客に持つダッカを拠点とする工場オーナーのシャヒドゥラ・アジム氏はロイターに対し、バングラデシュで続く政情不安で一部の米国バイヤーが注文をインドやベトナムに移していると語った。

インドアパレル輸出促進協議会のミティレシュワル・タクール局長は「多くの米企業が代替供給元を探しているため、インドの輸出業者はここ数カ月、注文の急増に対応するのが難しくなっている」と述べた。

インドの繊維産業は推定4500万人を雇用している。政府は繊維省の2025/26年度予算を現在の441億7000万ルピー(5億1100万ドル)から10─15%程度増額することを検討している。政府筋が明らかにした。

さらに、今年度の繊維部門に対する生産連動型インセンティブの割り当てを4億5000万ルピーから約6億ルピーに引き上げる可能性があるという。この制度下で政府は地元での製造を選択した企業に税制優遇措置やその他のベネフィットを提供している。

政府関係者の1人は、ポリエステルやビスコース短繊維などの原材料や繊維機械を対象に関税引き下げも検討中だと述べた。繊維の輸入関税は現在11─27%だが、バングラデシュでは関税がほぼゼロであり、インドの衣料品輸出業者に影響を与えている。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ロシア、クルスク州の完全奪回表明 ウクライナは否定

ワールド

トランプ氏、ウクライナへの攻撃非難 対ロ「2次制裁

ワールド

イラン南部の港で大規模爆発、14人死亡 700人以

ビジネス

アングル:ドバイ「黄金の街」、金価格高騰で宝飾品需
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
2025年4月29日号(4/22発売)

タイ・ミャンマーでの大摘発を経て焦点はカンボジアへ。政府と癒着した犯罪の巣窟に日本人の影

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは? いずれ中国共産党を脅かす可能性も
  • 4
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 5
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 6
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 7
    ロシア武器庫が爆発、巨大な火の玉が吹き上がる...ロ…
  • 8
    足の爪に発見した「異変」、実は「癌」だった...怪我…
  • 9
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 10
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 1
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 2
    「スケールが違う」天の川にそっくりな銀河、宇宙初期に発見される
  • 3
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 4
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?.…
  • 5
    女性職員を毎日「ランチに誘う」...90歳の男性ボラン…
  • 6
    教皇死去を喜ぶトランプ派議員「神の手が悪を打ち負…
  • 7
    自宅の天井から「謎の物体」が...「これは何?」と投…
  • 8
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 9
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 10
    トランプ政権はナチスと類似?――「独裁者はまず大学…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった...糖尿病を予防し、がんと闘う効果にも期待が
  • 3
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 6
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 7
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 8
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 9
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中