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米大統領、周辺海域で石油・ガス掘削禁止 トランプ政権移行前に

2025年01月07日(火)03時21分

バイデン米大統領は米国の幅広い周辺海域での新たな沖合の石油・ガス開発を禁止すると発表した。写真はハンティントンビーチ(米カリフォルニア州)から見える石油掘削施設。2024年11月撮影(2025年 ロイター/Mike Blake)

[6日 ロイター] - バイデン米大統領は米国の幅広い周辺海域での新たな沖合の石油・ガス開発を禁止すると発表した。ホワイトハウスによると、東海岸や西海岸、メキシコ湾東部、アラスカ沖の一部といった米周辺海域6億2500万エーカー(2億5300万ヘクタール)が対象になる。ただ、現在開発が進められている地域には影響しないほか、採掘業者が重要視していない海域を主な対象としており、象徴的な意味合いが強いとみられる。

バイデン氏は声明で「これらの海域での掘削は回復不可能な損害を与える恐れがあり、米国のエネルギー需要を満たすには不要だ」とし、「リスクを冒す価値はない」と述べた。気候変動対策への取り組みや、30年までに米国の土地と海域の3割を保全するという目標に沿ったものだと指摘した。

大統領に今月就任するトランプ氏は、バイデン氏の環境保護と気候変動対策を撤回すると公約している。ただ、判例によると、大統領による掘削禁止を認めるこの法律は、以前の禁止措置を覆す法的権限を与えておらず、禁止措置の撤回には連邦議会による手続きが必要となる可能性が高い。

石油・ガスの業界団体は、今回の決定は米エネルギー安全保障を損なうもので、撤回されるべきだと主張しているものの、議会からの支持が得られるかどうかは明らかになっていない。

米国は現在、世界最大の石油および天然ガス生産国。米エネルギー情報局によると、米石油生産量の約15%は主に米近海のメキシコ湾で産出されているが、陸上での掘削が増えており、この10年間で割合が大幅に減少している。

ロイター
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