米南部で車突っ込み15人死亡、容疑者ＩＳに感化か テロ事件で捜査

米南部ルイジアナ州ニューオリンズの中心部で１日未明、新年を祝う群衆にピックアップトラックが突っ込み、その後トラックの男が発砲する事件が発生、１５人が死亡し約３０人が負傷した。１日撮影（２０２５年　ロイター／Octavio Jones）

Brian Thevenot

［ニューオーリンズ　１日　ロイター］ - 米南部ルイジアナ州ニューオリンズの中心部で１日未明、新年を祝う群衆にピックアップトラックが突っ込み、その後トラックの男が発砲する事件が発生、１５人が死亡し約３０人が負傷した。連邦捜査局（ＦＢＩ）はテロ事件として捜査を開始。警察は共犯がいたとみて捜査している。

事件は現地時間の午前３時１５分、観光地で知られる旧市街フレンチ・クオーター近くのバーボン・ストリートとカナル・ストリートの交差点で発生。男は南部テキサス州のシャムスディン・ジャバール容疑者で、警官に向かって発砲、銃撃戦により死亡した。

ＦＢＩ当局者は会見で、単独の犯行ではないとの見解を示し、協力者などを捜査しているとした。何人の共犯者を捜査しているのかとの質問に「容疑者は多岐にわたる」と答え、過去７２時間以内に容疑者と接触した人は当局に連絡するよう求めた。

ＦＢＩによると車内から過激派組織「イスラム国」（ＩＳ）の旗が見つかった。車はレンタカーとみられるという。車内からは武器や爆破装置とみられる物も見つかった。フレンチ・クオーターでも爆破装置とみられる物が２つ発見され処理された。

ＡＰ通信とＣＮＮは、監視カメラの映像で男３人と女１人がフレンチクオーターで簡易爆破装置を設置している様子が映っていたと伝えた。しかし警察関係者は監視カメラに映っていた人物が何をしていたかは不明だと述べた。

容疑者は陸軍に所属していた。ＦＢＩ幹部は容疑者が名誉除隊されたとの見方を示したが、陸軍の確認は取れていない。

公的記録によると、容疑者はヒューストンで不動産業に従事していた。４年前に投稿された宣伝ビデオで、容疑者は人事およびＩＴ（情報技術）スペシャリストとして軍に１０年勤務したと述べ、軍で偉大な奉仕と物事を真剣に受け止めることの大切さを学んだと語っていた。

バイデン大統領は「卑劣な」行為と非難。ネバダ州ラスベガスのトランプ・ホテルで１日朝にテスラのサイバートラックが爆発・炎上した事件との関連性を捜査当局が調べていると述べた。これまでところ、両事件の関連は確認されていないという。

ニューオーリンズの事件の容疑者についてはＩＳに感化されたと指摘した。「ＦＢＩの報告によると、襲撃の数時間前に容疑者がＩＳに感化されたことを示唆し殺害の意向を示す動画をソーシャルメディアに投稿していた」と述べた。

ＣＮＮが捜査の説明を受けた当局者の話として伝えたところによると、容疑者はＩＳに参加する夢を語った動画を撮影していた。

毎年新年１日にニューオリンズで開催されるカレッジフットボール「シュガーボウル」は２４時間延期された。

トランプ次期大統領は、事件の調査や復旧に向け、次期政権がニューオーリンズを支援すると述べた。