韓国、「非常戒厳」で経済成長に下振れリスク=中銀総裁
韓国銀行(中央銀行)の李昌ヨン総裁は18日、次回の政策見直しまで2%のインフレ目標を維持するとし、「低インフレ」局面が1─2年以内に到来する可能性は低いと述べた。資料写真、同中銀の外観、2016年3月(2024年 ロイター/Kim Hong-Ji)
[ソウル 18日 ロイター] - 韓国銀行(中央銀行)の李昌ヨン総裁は18日、尹錫悦大統領が「非常戒厳」を宣言し国会で尹氏の弾劾訴追案が可決されたことを受けて、今年と来年の経済成長予測に下振れリスクが生じたと述べた。
中銀は3週間前に今年の経済成長率を2.2%と予測したが、総裁は2.1%になる可能性が高いと指摘。来年の経済成長予測1.9%も下方修正される可能性があると述べた。
また、今月3日の非常戒厳の宣言を受けてウォンが急落した際に中銀が介入したことも明らかにした。総裁は為替のボラティリティーが高まれば、再び介入するとも発言した。
総裁は大幅な利下げは不要とみられるが、データをさらに見極めると表明した。
<物価目標維持、今後1─2年は低インフレ局面到来せず>
総裁は、次回の政策見直しまで2%のインフレ目標を維持するとし、「低インフレ」局面が1─2年以内に到来する可能性は低いとも述べた。
「政府との協議を経て、次回の見直しまで現在の物価安定目標である2%を維持することを決定した」と表明。近年の高インフレを安定させるメカニズムは効果的だったと述べた。
また今後2年間、インフレ率は安定が見込まれ、他の主要中銀も2%の目標を維持していると指摘した。
インフレターゲティング型の金融政策に関する半期に1度の見直し後に開いた記者会見で述べた。総裁はインフレターゲティング制度に改善の必要があるか引き続き評価するとも発言した。
中銀は「今後1─2年は1%を下回る低インフレ局面に入る可能性は低い」と指摘。ドル高や気候変動による物価上昇圧力が続く中、経済成長率は1%台後半になると予想されている。
中銀は来年の消費者物価指数(CPI)上昇率について、上半期は1%台後半に上昇し、下半期からは目標値付近で安定した傾向を見せると予想した。
11月のCPI上昇率は前年比1.5%と、予想を下回った。中銀は先月、2会合連続で利下げを決めた。
中銀は物価上昇圧力を高める要因として、自国通貨安と公共料金の値上げを指摘。原油価格の下落が物価上昇圧力を相殺する要因になるとの見方を示した。
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