豪小売売上高、10月は前月比0.6%増に加速 値引き前倒し
12月2日、オーストラリア統計局が2日発表した10月の小売売上高は前月比0.6%増と、伸び率は9月の0.1%から加速し、市場予想の0.4%も上回った。写真はシドニーのショッピングモールで2020年12月撮影(2024 ロイター/Loren Elliott)
[シドニー 2日 ロイター] - オーストラリア統計局が2日発表した10月の小売売上高は前月比0.6%増と、伸び率は9月の0.1%から加速し、市場予想の0.4%も上回った。
減税の影響に加え、消費者の間で追加利上げはないとの確信が強まった。小売売上高は前年比では3.4%増加した。
統計局の担当者は、9月の売上高がほぼ横ばいだったことを受け、一部の小売業者が11月の「ブラックフライデー」セールを待たずに値引きに踏み切ったと指摘。オンラインの値引きが裁量的支出の伸びをけん引したほか、テレビやAV機器など電気製品への支出も拡大したと述べた。
インフレ鈍化や大規模な所得税減税などが小売売上高の見通しを後押ししている。
オーストラリア準備銀行(中央銀行)は7月に実施された減税を受け、今年は家計消費が回復すると予想していた。中銀は過去1年にわたり政策金利を4.35%に据え置いている。
市場は中銀が今月10日の会合で利下げを実施する可能性はほぼないと予想。来年2月の利下げ確率も24%にとどまっている。豪労働市場の堅調さなどを背景に、利下げは来年5月まで完全には織り込まれていない。