ハマス、男性人質の動画を公開 トランプ氏らに解放働きかけ訴え
イスラム組織「ハマス」は11月30日、イスラエル系米国人男性の人質を撮影した動画を公開した。人質男性は「エダン・アレクサンダー(20)」と名乗り、トランプ米次期大統領に対して人質解放を働きかけるように嘆願している。11月30日にHamas Military Wingが公表した動画から取得(2024年 ロイター)
Maayan Lubell
[エルサレム 30日 ロイター] - イスラム組織「ハマス」は11月30日、イスラエル系米国人男性の人質を撮影した動画を公開した。人質男性は「エダン・アレクサンダー(20)」と名乗り、トランプ米次期大統領に対して人質解放を働きかけるように嘆願している。
男性は約3分半の動画で、青ざめた表情で壁際の暗い場所に腰かけながら家族とイスラエルのネタニヤフ首相、トランプ次期米大統領に対して訴えかけている。
アレクサンダーさんの母親のヤエルさんはイスラエル・テルアビブで開かれた人質解放を求める集会で「この動画は私たちに希望を与えてくれるが、同時にエダンと他の人質にとっていかに困難な状況であるかと、彼らがどれほど泣き叫び、私たちの救出を祈っているかを示している」と語った。また、イスラエルの指導者らに対してパレスチナ自治区ガザでの戦闘を終わらせ、人質を解放するためにハマスと取引をするよう呼びかけた。
ネタニヤフ氏は声明で、動画は残酷な心理戦であり、イスラエルは人質を帰還させるために不断の努力をしているとアレクサンダーさんの家族に電話で伝えたと説明した。
トランプ氏の政権移行チームからのコメントは得られていない。
兵士だったアレクサンダーさんは、2023年10月7日のハマスによるイスラエル南部への攻撃の際に人質としてガザに連行された。
ハマスに捕らえられたイスラエル人と外国人の人質計101人のうち、約半数は生存しているとみられている。
バイデン米政権は、任期中にハマスの人質となっている国民の解放を確実にするために「24時間態勢で」取り組んでいるとコメントした。
米国家安全保障会議(NSC)のショーン・サベット報道官は「私たちには人質を解放し、戦争を止め、ガザへの人道支援を大幅拡大するための取引を成立させる極めて重要な機会がある」とし、「取引を検討中だ」と語った。