ゼレンスキー氏が「戦争税」法案に署名 戦時下で初の増税へ
11月28日、ウクライナのゼレンスキー大統領(写真)は、「戦争税」による戦時下で初の増税を定めた法案に署名した。写真は、ロシアの攻撃から1000日目を迎えた19日、記者会見に臨む大統領。首都キーウにて撮影。Mads Claus Rasmussen/Ritzau Scanpix/via REUTERS(2024年 ロイター)
Olena Harmash
[キーウ 28日 ロイター] - ウクライナのゼレンスキー大統領は28日、「戦争税」による戦時下で初の増税を定めた法案に署名した。発効は12月1日。
個人所得に対する税率が1.5%から5%に引き上げられ、起業家や零細企業にも新たに課税されるほか、銀行とノンバンクの利益にはそれぞれ50%と25%の税率が適用される。
マルチェンコ財務相によると、ウクライナの軍事支出は年間予算の約半分を占めており、この増税は来年の国防セクターへの資金を円滑に確保する上で必要不可欠な措置だ。ただロシアとの激しい戦闘で経済が破壊され、貧困率も上昇しているだけに、こうした増税は大きな論争に発展した面もあった。
政府が目標とする来年の軍事支出は約2兆2000億フブリナで、今年とほぼ同規模となる。
マルチェンコ氏は、増税はウクライナの重要な貸し手となっている国際通貨基金(IMF)による金融支援プログラムを実行してもらう上でも重要な一歩になると説明した。
IMFの事務方とウクライナ政府は既に約11億ドルの融資供与で合意しているが、まだIMF理事会による正式な承認手続きが残っている。
ウクライナは兵士の給与や国内で生産される武器の代金支払いを歳入で賄っているが、社会保障や人道分野の支出については西側の支援が頼みの綱だ。