午前の日経平均は反落、円高が投資家心理の重し 日銀追加利上げの思惑
11月29日、午前の東京株式市場で日経平均は、前営業日比156円05銭安の3万8193円01銭と反落した。写真は都内で2020年10月撮影(2024 ロイター/Issei Kato)
[東京 29日 ロイター] - 午前の東京株式市場で日経平均は、前営業日比156円05銭安の3万8193円01銭と反落した。朝方発表の東京都区部消費者物価指数(CPI)が日銀による追加利上げへの思惑につながり、ドル/円が円高基調となったことが投資家心理の重しになった。日経平均は心理的節目3万8000円を一時割り込んだ。 日経平均は143円安で寄り付いた後も一時362円安に下げ幅を拡大した。米国株式市場が休場で手掛かりに欠ける中、前日高だった主力株を中心に利益確定売りが優勢となった。半導体関連株は戻り待ちの売りに押され、総じて軟調だった。
ドル/円は約1カ月ぶりに一時149円台に下落し、輸出関連株を中心に逆風になった。朝方に発表された11月の東京都区部消費者物価指数(CPI)でコアCPIの伸び率が日銀が目標とする2%を再び上回り、日銀による追加利上げへの思惑がくすぶった。長期金利が上昇する中、銀行や保険はしっかりだった。
日経平均は節目の3万8000円を一時割り込んだが、値ごろ感が意識される水準とされ、押し目買いが入って下げ渋った。市場では「下値を模索するほど企業業績は悪くない」(三木証券の北沢淳商品部投資情報グループ次長)との声が聞かれた。 トランプ米次期大統領による関税引き上げを巡る警戒感がくすぶる一方、「賃金上昇期待とインバウンド需要の堅調を背景に内需株は健闘している」(三木証券の北沢氏)との見方があった。 TOPIXは0.27%安の2680.05ポイントで午前の取引を終了した。東証プライム市場の売買代金は1兆6691億1300万円だった。東証33業種では、値上がりは電気・ガスや繊維製品、空運など13業種、値下がりは輸送用機器や機械、精密機器など20業種だった。 繊維事業からの撤退を正式発表したユニチカは大幅安。一部格付け会社による格付け見通し引き下げがあった日産自動車は年初来安値を更新した。東京エレクトロンは軟調だった。一方、円高基調の中でニトリホールディングスはしっかり。みずほフィナンシャルグループ、第一生命ホールディングスは堅調だった。 東証プライム市場の騰落数は、値上がりが812銘柄(49%)、値下がりは759銘柄(46%)、変わらずは71銘柄(4%)だった。