ニュース速報
ワールド

仏内閣が電力増税方針を撤回 労働者負担軽減求める極右に配慮

2024年11月29日(金)07時19分

11月28日、フランスのバルニエ首相は来年予算案に盛り込んだ電力増税方針を撤回した。写真は仏カーニュシュルメールのEV充電施設で2020年10月撮影(2024年 ロイター/Eric Gaillard)

Sudip Kar-Gupta Leigh Thomas

[パリ 28日 ロイター] - フランスのバルニエ首相は28日、来年予算案に盛り込んだ電力増税方針を撤回した。

内閣存続の上で支持が不可欠な極右政党、国民連合(RN)から予算案において労働者への負担を軽減しない限り、倒閣に動くと圧力を受けたことに対応した形。ただRNのバルデラ党首はX(旧ツイッター)への投稿で「われわれはここで立ち止まることはできない。まだ譲れない幾つかの線が残されている」と述べ、内閣不信任を避けるにはなお不十分だとの見解を示した。

来年予算案でバルニエ内閣は、財政赤字穴埋めのために総額600億ユーロの増税と歳出削減を打ち出し、その一環として電力消費税について約30億ユーロの増税を計画した。電力消費税はエネルギー危機に陥っていた過去2年間、税率がほぼゼロまで引き下げられていた。

しかしこの予算案には左派連合だけでなくRNも反対し、内閣は財政規律を緩めてフランスの財政基盤を弱めてしまうか、不信任案可決によって退陣するかの厳しい選択を迫られている。

このまま議会で予算案に対する支持が集まらなければ、内閣は早ければ来週にも憲法上の規定を行使して、議会の承認なしで予算成立を強行する公算が大きい。予算案は12月半ばが成立期限だ。

一方RN指導者マリーヌ・ルペン氏は28日の地元紙ルモンドに対し、予算成立が強行された場合、RNが不信任案を提出するのは避けられないと警告した。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

日経平均は反落で寄り付く、主力株を中心に利益確定売

ワールド

ウクライナ全土で停電、ロシアが大規模攻撃 報復とプ

ビジネス

完全失業率10月は2.5%に悪化、有効求人1.25

ビジネス

10月小売業販売額は前年比+1.6%、市場予測下回
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:老けない食べ方の科学
特集:老けない食べ方の科学
2024年12月 3日号(11/26発売)

脳と体の若さを保ち、健康寿命を延ばす──最新研究に学ぶ「最強の食事法」

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「時間制限食(TRE)」で脂肪はラクに落ちる...血糖値改善の可能性も【最新研究】
  • 2
    エスカレートする核トーク、米主要都市に落ちた場合の被害規模は想像を絶する
  • 3
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 4
    リュックサックが更年期に大きな効果あり...軍隊式ト…
  • 5
    ペットの犬がヒョウに襲われ...監視カメラが記録した…
  • 6
    「このまま全員死ぬんだ...」巨大な部品が外されたま…
  • 7
    バルト海の海底ケーブル切断は中国船の破壊工作か
  • 8
    トランプを勝たせたアメリカは馬鹿でも人種差別主義…
  • 9
    日本を標的にする「サイバー攻撃者」ランキング 2位…
  • 10
    NewJeansはNewJeansじゃなくなる? 5人と生みの親ミ…
  • 1
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 2
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 3
    寿命が5年延びる「運動量」に研究者が言及...40歳からでも間に合う【最新研究】
  • 4
    北朝鮮は、ロシアに派遣した兵士の「生還を望んでい…
  • 5
    「このまま全員死ぬんだ...」巨大な部品が外されたま…
  • 6
    「ダイエット成功」3つの戦略...「食事内容」ではな…
  • 7
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 8
    リュックサックが更年期に大きな効果あり...軍隊式ト…
  • 9
    ロシア西部「弾薬庫」への攻撃で起きたのは、戦争が…
  • 10
    プーチンはもう2週間行方不明!? クレムリン公式「動…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 4
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 5
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 6
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 7
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 8
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 9
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
  • 10
    ロシア陣地で大胆攻撃、集中砲火にも屈せず...M2ブラ…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中