トランプ政策で一段とインフレ不安定も、NZ中銀幹部が警告
ニュージーランド準備銀行(中央銀行)のチーフエコノミスト、ポール・コンウェイ氏は28日、トランプ次期米大統領の経済政策はインフレに中期的なリスクをもたらす恐れがあると述べた。写真はトランプ氏。米フロリダ州で6日撮影。(2024年 ロイター/Callaghan O'Hare/File Photo)
Lucy Craymer Renju Jose
[ウェリントン 28日 ロイター] - ニュージーランド準備銀行(中央銀行)のチーフエコノミスト、ポール・コンウェイ氏は28日、トランプ次期米大統領の経済政策はインフレに中期的なリスクをもたらす恐れがあると述べた。
コンウェイ氏は議会委員会で、中銀は潜在的な影響について正式なモデリングを行っていないが、トランプ氏の政策課題が物価上昇につながる可能性があり、「今後インフレ動向が一段と不安定になる可能性がある」と指摘。
「トランプ氏が何をするかは予測できない。彼はよく話すが、実際に何が実施されるかに反応するのは軽率だ」と述べた。
トランプ氏は25日、来年1月の就任初日に米国の3大貿易相手国のうちメキシコとカナダからの全輸入品目に25%の関税を課し、中国には追加で10%を課すと表明した。
実現すれば世界的な貿易戦争につながる可能性があるほか、ニュージーランド経済に影響が及ぶ恐れもある。同国は貿易に大きく依存しており、国内総生産(GDP)の54%を占めている。
ホークスビー副総裁は、中銀は「より極端なケースで起こり得る」シナリオをテストし、深刻なストレスにさらされた場合の経済の耐性を確認すると述べた。