トランプ氏の対カナダ関税、米ガソリン価格押し上げへ アナリスト警告
トランプ次期米大統領がカナダに関税を課すと表明したことで、最大の原油供給国であるカナダとの取引に変化が生じ、米国内の燃料価格が上昇する可能性があるとアナリストらが警告している。写真はテキサス州で2019年11月撮影(2024年 ロイター/Angus Mordant)
Shariq Khan Nicole Jao
[ニューヨーク 27日 ロイター] - トランプ次期米大統領がカナダに関税を課すと表明したことで、最大の原油供給国であるカナダとの取引に変化が生じ、米国内の燃料価格が上昇する可能性があるとアナリストらが警告している。
トランプ氏は25日、カナダとメキシコが国境を越える麻薬と移民を取り締まるまで、両国からの輸入品全てに25%の関税を課すと述べた。
米国は石油生産量が近年増加し、世界最大の生産国になったものの、国内精製業者が処理する原油の20%以上はカナダから輸入されている。
ガスバディのアナリスト、パトリック・デハーン氏によると、カナダから輸入される日量400万バレル超の原油の70%を製油所が処理する米中西部では、ガソリン小売り価格が1ガロン当たり0.3ドル以上、約10%上昇する可能性があるという。
関税が導入されれば、マラソン・ペトロリアム、BP 、フィリップス66などの精製業者は、カナダとメキシコから高い価格で石油を輸入するか、輸送コストをかけてもっと遠くに代替供給元を探すかの選択を迫られることになる。
いずれにしても、追加コストの一部は小売店でのガソリン価格上昇という形で消費者に転嫁される可能性が高いと、コモディティー・コンテクストのアナリスト、ロリー・ジョンストン氏はみている。
主な米石油業界団体は関税導入に反対を表明している。
トランプ氏は大統領選キャンペーンで、燃料価格の引き下げを最優先政策の一つに挙げていた。