米、ウクライナに7.25億ドル相当の武器供与へ 駆け込み支援の方針
バイデン米政権がウクライナに高機動ロケット砲システム「ハイマース」(HIMARS)ロケット弾や地雷など計7億2500万ドル相当の武器供与を準備していると米政府高官2人が明らかにした。写真は2023年7月撮影(2024年 ロイター/KEVIN WURM)
Patricia Zengerle
[ワシントン 27日 ロイター] - バイデン米政権がウクライナに高機動ロケット砲システム「ハイマース」(HIMARS)ロケット弾や地雷など計7億2500万ドル相当の武器供与を準備していると米政府高官2人が明らかにした。関係者の1人によると、12月2日にも連邦議会に正式提示する可能性がある。
ウクライナではロシア軍が速いペースで支配地域を広げる一方、トランプ次期大統領は戦闘の早期終結方針を表明している。バイデン大統領は来年1月の任期満了を控え、ロシア軍の進撃を遅らせるためウクライナ政府への駆け込み支援を実施する方針だ。
計画に詳しい当局者によると、HIMARSロケット弾や地雷のほか、ドローン(無人機)やスティンガーミサイルなど、米軍備蓄から各種の対戦車兵器を供与する計画だ。ロイターが確認した議会通知予定の書面によると、クラスター弾も含まれる見通し。クラスター弾は通常、ハイマースで発射される誘導型多連装ロケットシステム(GMLRS)のロケットに搭載される。
ただ、この武器供与計画はバイデン氏が署名する数日前に内容や規模が変更される可能性がある。
バイデン氏は供与に当たり、いわゆる「大統領在庫引き出し権限(PDA)」を活用する。緊急事態にある同盟国を支援するため米軍が備蓄兵器を供給することができる。最近発表されたPDAは、おおむね1億2500万─2億5000万ドル規模にとどまっていた。