レバノン、停戦案修正を要求 イスラエルの即時撤退と自衛権含む
レバノンが、米国が提示した停戦案の変更を求めていることが分かった。写真はレバノンで21日撮影(2024年 ロイター/Adnan Abidi)
Laila Bassam
[ベイルート 21日 ロイター] - レバノンが、米国が提示した停戦案の変更を求めていることが分かった。レバノン南部からのイスラエル軍の早期撤退を確保し、双方に自衛権を与えるよう要請したという。レバノン高官が21日明らかにした。
レバノン当局は今週、ベイルートでバイデン米政権のホックスティーン特使と会談し、この変更を要請した。
レバノンが求めている修正案の詳細はこれまで報じられていないが、合意に向けてまだ課題が残っていることを示している。ホックスティーン米特使は19日、「停戦は手を伸ばせば届く場所にある」と述べていた。
レバノン当局者は、イスラエル軍が「停戦宣言後、直ちに撤退し、レバノン軍が全地域に展開できるように」すること、および避難民の帰還を求めていると述べた。イスラエル側は停戦発表後60日以内の撤退を考えているという。
イスラエルのネタニヤフ首相の報道官は、停戦協定の文言に関する同首相の立場についての質問には回答しなかった。
また同当局者は、現在の合意案ではイスラエル軍の「レバノン国境」からの撤退が言及されているが、レバノンは国境の一部ではなく全面的な撤退を確実にするために「国境」の具体的な定義づけを望んでいると述べた。また、レバノン側は双方の「自衛」の権利を保障する文言も求めていると述べたが、詳細は明らかにしなかった。
イスラエルは、停戦が合意されたとしてもイラン支援下にあるレバノンの武装組織ヒズボラへの攻撃を続ける権利があると主張している。
レバノン当局者は、米国の合意案にはイスラエルがヒズボラへの攻撃を継続するという文言はなく、レバノンはいかなる主権侵害も拒否すると述べた。