タイ第3四半期GDPは予想上回る、先行きにリスクも
タイ国家経済社会開発評議会(NESDC)が18日発表した第3・四半期の国内総生産(GDP)は前年同期比3.0%増加した。市場予想の2.6%増を上回り、2年ぶりの高い伸びとなった。写真はバンコクの市場で昨年10月撮影(2024年 ロイター/Athit Perawongmetha)
[バンコク 18日 ロイター] - タイ国家経済社会開発評議会(NESDC)が18日発表した第3・四半期の国内総生産(GDP)は前年同期比3.0%増加した。市場予想の2.6%増を上回り、2年ぶりの高い伸びとなった。
投資、観光、輸出が好調だった。ただ政府関係者やアナリストは、来年もこの勢いを維持するのは困難との見方を示している。
NESDCは、サービス部門が成長をけん引する一方、工業部門は鈍化、農業生産は減少したと指摘。
ダヌチャ・ピチャヤナン長官は記者会見で「第4・四半期も経済成長は続くだろうが、米国の経済政策などによるリスクが控えている」とした上で「来年はさらにリスクが増えるだろう。景気を押し上げるための予算支出は、より的を絞ったものにしなければならない」と語った。
季節調整済み前期比では1.2%増と18カ月ぶりの高成長で、ロイターがまとめたアナリスト予想の0.8%増を上回った。
第2・四半期のGDPは前年比2.2%増、前期比0.8%増にそれぞれ下方修正された。
クルンタイ銀行のエコノミスト、チャマダナイ・マークヌアル氏は「第4・四半期は勢いがさらに強まり、年間GDPはおそらく4%に達するだろう」と予想。「しかし、貿易戦争や政府の施策に対する不透明感から、来年の見通しは不透明だ」と慎重な見方を示した。
NESDCは今年のGDP成長率を2.6%とした。従来予想は2.3─2.8%だった。2025年は2.3─3.3%の成長を見込んだ。
今年の輸出の伸びは従来予想の2%から3.8%に引き上げた。25年は2.6%と予想した。
今年の外国人観光客数を3600万人と予想し、これまで3650万人から下方修正した。25年は3800万人に増加するとみている。新型コロナ前の2019年は4000万人に近い水準だった。
タイの昨年の経済成長率は1.9%で、域内の他国よりも低成長にとどまった。家計負債と借入コストの高さ、主要貿易相手国である中国の需要低迷に圧迫された。