次期トランプ政権、台湾にペナルティー科すとは思えず=中銀総裁
台湾中央銀行の楊金龍総裁は14日、半導体産業で台湾が中心的な役割を担っていることを踏まえると、米国のトランプ次期政権が台湾にペナルティーを科すとは思えないと述べた。写真は議会で質問に答える楊氏。2022年撮影(2024年 ロイター/Annabelle Chih)
[台北 14日 ロイター] - 台湾中央銀行の楊金龍総裁は14日、半導体産業で台湾が中心的な役割を担っていることを踏まえると、米国のトランプ次期政権が台湾にペナルティーを科すとは思えないと述べた。
トランプ氏は全ての輸入品に一律10%、中国からの輸入品に60%の関税を課すことを公約に掲げているほか、選挙戦では「台湾はわれわれの半導体ビジネスを盗んだ」と批判している。
楊氏は立法委員(国会議員に相当)の質問に対し、台湾で製造される半導体などのハイテク製品は戦略的に重要な素材であり、サプライチェーンの混乱があってはならないと発言。
「半導体や情報・通信製品は米国が最も必要としているものだ」とし「米国が台湾にペナルティーを科すとは思えない」と述べた。
楊氏は半導体分野で台湾と米国が協力することが互いの利益になるとし「彼らが設計し、われわれが製造する」と述べた。
ただ、トランプ氏の掲げる関税が導入された場合、輸出依存型の台湾経済に影響が出るとも指摘した。
楊氏は、今年の台湾の対米貿易黒字が500億ドルに達すると予想。米国からの輸入拡大のほか、半導体受託生産大手、台湾積体電路製造(TSMC)の対米投資が不均衡是正に寄与する可能性があると述べた。