ニュース速報
ワールド

トランプ氏、国防長官にTV司会者ヘグセス氏指名へ NATOに懐疑的

2024年11月13日(水)13時41分

 トランプ次期米大統領(写真右)は11月12日、国防長官にFOXニュース・チャンネルの司会者ピート・ヘグセス氏(左)を指名すると表明した。2017年4月、ホワイトハウスで撮影(2024年 ロイター/Kevin Lamarque)

Phil Stewart Idrees Ali

[ワシントン 12日 ロイター] - トランプ次期米大統領は12日、国防長官にFOXニュース・チャンネルの司会者ピート・ヘグセス氏(44)を指名すると表明した。

ヘグセス氏は元陸軍州兵で、個人ウェブサイトによると、アフガニスタンやイラク、キューバのグアンタナモ米海軍基地で任務経験がある。

これまでに示した政策上の立場は限られているが、北大西洋条約機構(NATO)に懐疑的な見方を示している。また、国防総省幹部による政策を「(社会正義に目覚めた)ウォーク」として批判してきた。

トランプ氏は選挙戦で、軍の多様性に関する進歩的な政策を推進しているとする高官らの解任を掲げており、ヘグセス氏が議会上院で承認されれば、こうした公約を実行する可能性がある。

ヘグセス氏は米軍制服組トップのブラウン統合参謀本部議長についても「左派政治家の過激な立場を推し進めている」などと非難しており、両氏が対立する可能性もある。

トランプ氏は声明で「ピートはタフで賢明で、米国第一の真の信奉者だ」とし、「ピートが指揮を執ることで、米国の敵は、米軍が再び偉大になる、米国は決して尻込みしないと通告を受けることになる」と表明した。

国防総省内では、トランプ氏が忠実でないと見なす軍人や政府職員の一掃を目指すのではないかとの懸念が既に広がっている。

価値観を巡る対立「文化戦争」の問題が解任理由の一つになる可能性がある。トランプ氏はFOXニュースで6月、「ウォーク」の軍高官らを解任すると述べた。

ヘグセス氏も自身の著書で「米国の次期大統領は国防総省の上層部を抜本的に見直し、わが国を守り敵を打倒する準備を整える必要がある。多数を解雇する必要がある」と記している。

同氏は欧州同盟国を痛烈に批判してきた経緯がある。著書で「過去1世紀にわたり欧州の『緊急連絡先』になってきた米国は、彼ら自身がもはや守っていない時代遅れで一方的な防衛協定の尊重を求める独善的で無能な国々の言うことになぜ耳を傾けなければならないのか」と記した。NATO内ではトランプ政権が同盟にどのような影響をもたらすかを巡り懸念が一層強まる可能性がある。

また、中国については「米国を打ち負かすことに特化した」軍を築き、「地域だけでなく世界を支配する広い長期的視野を持っている」などと述べている。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ブラジル最高裁前で男が自爆、侵入試みる G20控え

ワールド

米司法長官に保守強硬派ゲーツ下院議員指名へ、トラン

ビジネス

米フロンティア株主、ベライゾンによる買収承認 96

ビジネス

米メタの「スレッズ」、来年初に広告導入=報道
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:またトラ
特集:またトラ
2024年11月19日号(11/12発売)

なぜドナルド・トランプは圧勝で再選したのか。世界と経済と戦争をどう変えるのか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 2
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国」...写真を発見した孫が「衝撃を受けた」理由とは?
  • 3
    NewJeansのミン・ヒジン激怒 「似ている」グループは企画案から瓜二つだった
  • 4
    本当に「怠慢」のせい? ヤンキース・コールがベース…
  • 5
    建物に突き刺さり大爆発...「ロシア軍の自爆型ドロー…
  • 6
    ロシア陣地で大胆攻撃、集中砲火にも屈せず...M2ブラ…
  • 7
    中国の言う「台湾は中国」は本当か......世界が中国…
  • 8
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 9
    トランプ再選を祝うロシアの国営テレビがなぜ?笑い…
  • 10
    ウクライナ軍ドローン、1000キロ離れたロシア拠点に…
  • 1
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 2
    「歌声が聞こえない」...ライブを台無しにする絶叫ファンはK-POPの「掛け声」に学べ
  • 3
    ウクライナ軍ドローン、1000キロ離れたロシア拠点に突っ込む瞬間映像...カスピ海で初の攻撃
  • 4
    「遮熱・断熱効果が10年持続」 窓ガラス用「次世代…
  • 5
    「トイレにヘビ!」家の便器から現れた侵入者、その…
  • 6
    本当に「怠慢」のせい? ヤンキース・コールがベース…
  • 7
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 8
    後ろの女性がやたらと近い...投票の列に並ぶ男性を困…
  • 9
    海上自衛隊のヘリコプター搭載護衛艦「空母化」、米…
  • 10
    NewJeansのミン・ヒジン激怒 「似ている」グループは企…
  • 1
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大きな身体を「丸呑み」する衝撃シーンの撮影に成功
  • 2
    秋の夜長に...「紫金山・アトラス彗星」が8万年ぶりに大接近、肉眼でも観測可能
  • 3
    死亡リスクはロシア民族兵の4倍...ロシア軍に参加の北朝鮮兵による「ブリヤート特別大隊」を待つ激戦地
  • 4
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 5
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
  • 6
    大破した車の写真も...FPVドローンから逃げるロシア…
  • 7
    モスクワで高層ビルより高い「糞水(ふんすい)」噴…
  • 8
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 9
    予算オーバー、目的地に届かず中断...イギリス高速鉄…
  • 10
    韓国著作権団体、ノーベル賞受賞の韓江に教科書掲載料…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中