トランプ米次期政権の環境保護局長官にゼルディン氏、環境保護関連法案に多く反対の元下院議員
トランプ次期米大統領(共和党、左)は11月11日、新政権の環境保護局(EPA)長官にリー・ゼルディン元下院議員(共和党、右)を指名すると発表した。1月19日、ニューハンプシャー州で撮影(2024年 ロイター/Elizabeth Frantz)
Timothy Gardner David Shepardson
[ワシントン 11日 ロイター] - トランプ次期米大統領(共和党)は11日、新政権の環境保護局(EPA)長官にリー・ゼルディン元下院議員(共和党)を指名すると発表した。就任には共和党が過半数の議席を奪還した議会上院で承認される必要がある。ゼルディン氏は、石油会社の価格つり上げを取り締まる措置を含めた環境保護関連法案の多くに反対票を投じてきた。
ゼルディン氏は2022年のニューヨーク州知事選の共和党候補として出馬して落選した。州知事選の選挙期間中には35年までにガソリンだけで駆動する自動車の販売を禁止した西部カリフォルニア州の規制案に反対し、ニューヨーク州も追随することを批判していた。また、ニューヨーク州が禁止しており、州内の多くの環境保護主義者が反対している原油や天然ガスのフラッキング(水圧破砕法)を撤回し、雇用を創出すると訴えていた。
トランプ氏は自身が立ち上げた交流サイト(SNS)「トゥルース・ソーシャル」でゼルディン氏が「米企業の力を解き放つ公正で迅速な規制緩和の決定を確実にすると同時に、地球上で最もきれいな空気と水を含む最高の環境基準を維持する方法で制定する」と投稿した。
環境保護団体の集計によると、ゼルディン氏はニューヨーク州選出の下院議員だった2015―23年に、主要な環境保護法案のうち「賛成」票を投じた割合はわずか14%だった。ゼルディン氏は、バイデン氏が施行した画期的な気候変動法のインフレ抑制法や、石油会社による価格つり上げを取り締まる法案にも反対票を投じた。
トランプ氏は就任後、発電所からの二酸化炭素(CO2)排出を抑制するための規制や、自動車からのCO2排出を削減するための規制を含めてEPAが所管している多くの規制を覆すとみられている。トランプ氏は大統領就任初日にEPAと運輸省の自動車の環境汚染規制を撤廃すると明言しており、電気自動車(EV)減税や他の優遇措置の縮小や廃止も検討している。
また、大統領在任中の19年と同じように、カリフォルニア州が独自の自動車排ガス規制を設定する権限を取り消そうともくろんでいる。