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トランプ氏の発言分析し、日米の国益に資する提案していく=石破首相

2024年11月12日(火)00時27分

 11月11日、石破茂首相は第2次石破内閣発足後に記者会見を行い、米国のトランプ次期大統領と「なるべく早いタイミングで直接会談する機会をもちたい」と述べた。国会内で撮影(2024年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

Kentaro Sugiyama

[東京 12日 ロイター] - 第2次石破内閣を発足した石破茂首相は11日夜の記者会見で、日米関係の強化に向け米国のトランプ次期大統領と「なるべく早いタイミングで直接会談する機会をもちたい」と述べた。大統領選中のトランプ氏の発言を詳細に分析し、日米両国の国益に資する提案をしていきたいとも語った。

石破首相はトランプ氏と先週電話会談を行っているが、現在の極めて良好な日米関係を維持し、新たな高みに引き上げていくため、早期にトランプ氏との直接会談を実現させたいと述べた。

一方、関係国の間ではトランプ氏が再び大統領に就けば同盟関係や主要7カ国(G7)の結束が揺らぎかねないと懸念がある。石破首相もトランプ氏が選挙中の主張を大統領就任後にどのように政策として打ち出していくか「予測がつくところではない」と指摘した。その上で「日本の国益、米国の国益があるが、正面からぶつかり合ってもどうにもならない。(重要なのは)相乗的に、お互いの利益やアジア太平洋の平和と安定に資するものだということを提案するかということであり、譲る譲らないといったディールの世界に尽きるものだとは私は思わない」と語った。

首相は、アジア太平洋経済協力会議(APEC)と20カ国・地域(G20)首脳会議に出席するため、今月14日から南米を訪問すると表明。国際社会で存在感を高める「グローバルサウス」諸国やアジア太平洋諸国との連携を一層強化すると説明した。

経済面では、イノベーションやスタートアップ支援など、新しいビジネスが育ちやすい環境を作るためにあらゆる政策を導入していくと強調した。2030年度までにAI(人工知能)・半導体分野に10兆円以上の公的支援を行い、今後10年間で50兆円を超える官民投資を引き出すための新たなフレームを策定すると明らかにした。

来年の春闘における賃上げと最低賃金の中期的方針については、今月にも政労使の意見交換を開催し議論を加速していくという。

石破氏は11日午後の首相指名選挙で選出された後、直ちに組閣に入った。衆院選で落選した小里泰弘農相の後任に自民党の江藤拓氏、牧原秀樹法相の後任に同党の鈴木馨祐氏、公明党代表に就任した斎藤鉄夫氏に代わる国交相に同じ公明党の中野洋昌氏を起用するとともに、3閣僚以外を再任した。

衆院選で少数与党に転じた自公は今後、2024年度補正予算案や25年度予算案を含む全ての予算・法案の実現に野党の協力が不可欠となる。

ロイター
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