ロシア政府、トランプ氏勝利に様子見姿勢 関係修復の声も
ロシア政府は、米大統領選でのトランプ氏勝利宣言を受け、ウクライナ戦争の終結に向けた過去の発言がどう反映されるかを様子見する姿勢を示した。両大統領(当時)、2019年撮影。(2024年 ロイター/Sputnik)
Guy Faulconbridge Dmitry Antonov Andrew Osborn
[モスクワ 6日 ロイター] - ロシア政府は、米大統領選でのトランプ氏勝利宣言を受け、ウクライナ戦争の終結に向けた過去の発言がどう反映されるかを様子見する姿勢を示した。
大統領府のペスコフ報道官は、トランプ氏は選挙期間中、ウクライナ戦争を終わらせたいという重要な発言をしていたが、それが行動につながるかは時間が経てばわかると指摘。米国は非友好的な国で、ウクライナ戦争に「直接・間接的に関与していることを忘れてはならない」と述べた。
またプーチン大統領がトランプ氏勝利を祝福するかわからないとし、米国との関係は歴史的な低水準にあるとの見解を示した。その上で「米国は外交政策の軌道を変えることができる。(大統領就任後の)1月以降にわかるだろう」と語った。
ロシア外務省は、米国には超党派で反ロシア的だとし、トランプ氏について幻想を抱いていないとの見解を示した。
政府系ファンドであるロシア直接投資基金(RDIF)のキリル・ドミトリエフ総裁は、トランプ氏の勝利は関係修復のチャンスとなる可能性を指摘した。同総裁は元ゴールドマン・サックスのバンカーで、過去にトランプ陣営と接触したことがある。
ロシア前大統領のメドベージェフ安全保障会議副議長は、軍事的に米国を最大の後ろ盾とするウクライナにとっておそらく悪いニュースだとし、「トランプがどれだけ戦争に出費するかが問題だ」と述べた。