東南アジア版NATO、現時点で実現困難 国益に乖離とフィリピン国防相
11月5日、フィリピンのテオドロ国防相は、東南アジア版北大西洋条約機構(NATO)構想について、東南アジア地域における利益や同盟関係の相違を踏まえると現時点で創設は困難との見解を示した。マニラ中心部で8月4日撮影(2024年 ロイター/Lisa Marie David)
[マニラ 5日 ロイター] - フィリピンのテオドロ国防相は5日、東南アジア版北大西洋条約機構(NATO)構想について、東南アジア地域における利益や同盟関係の相違を踏まえると現時点で創設は困難との見解を示した。
石破茂首相は首相就任前に「アジア版NATO」構想を提唱した。
テオドロ氏はマニラで開催された安全保障フォーラムで、東南アジア版NATOの可能性に関する質問に対し、東南アジア諸国連合(ASEAN)の複雑な「二項対立と国益の乖離」が、統一的軍事同盟の設立を困難にしていると述べた。
「たとえば、われわれはASEAN以前に米国と防衛協定を結び、同志国と同盟関係を構築し続けている。他のASEAN諸国は中国と同盟を結んでいる」と述べた。
フィリピンは南シナ海の領有権問題と中国と対立し、フィリピン軍と中国海警局の衝突が起きている。
テオドロ氏は、ASEANは中国の海洋進出の「行き過ぎ」に取り組むべきとの立場。「南シナ海における中国の拡張的な活動や違法と認められる活動に関して、何らかの原則や反応を得ることは非常に良い第一歩であり、我々が取り組むべきことだ」とテオドロは語った。