シリア暫定政権、扇動に警告し取り締まり開始 緊張高まる中

シリアの暫定政権は２６日、警察官１４人が前日にシリア北西部タルトゥースで殺害されたことを巡り、アサド前政権を支持する勢力による攻撃として、治安部隊による取り締まりを開始した。写真は２６日、シリア中西部の都市ホムスで撮影（２０２４年　ロイター/Khalil Ashawi）

Riham Alkousaa　Timour Azhari

[ダマスカス ２６日 ロイター] - シリアの暫定政権は２６日、警察官１４人が前日にシリア北西部タルトゥースで殺害されたことを巡り、アサド前政権を支持する勢力による攻撃として、治安部隊による取り締まりを開始した。国営メディアが報じた。

タルトゥースにはアサド前大統領と同じイスラム教アラウィ派の信者が多く住む。アラウィ派はアサド前政権下で大きな影響力を持っていた。

国営通信ＳＡＮＡによると、治安部隊は「治安や安定、市民の平和を維持し、森や丘に潜むアサド派民兵の残党を追跡する」ためタルトゥース作戦を開始した。

１１月下旬にアレッポのアラウィ派の廟（びょう）内で火災が発生した様子を示す動画がソーシャルメディアで拡散された後、宗派間の争いをあおる試みに対して当局が警告した後で、 今回の取り締まりが発表された。

「シリア解放機構（ＨＴＳ）」が主導するシリア暫定政府は、少数派の集団を保護すると主張する。ただ、アラウィ派が多く住むダマスカスの地区の住民は、ＨＴＳが宗派を尊重すると約束したにもかかわらず、宗教的アイデンティティを理由に家屋が破壊され、暴行が発生していると述べ、不和をあおろうとする「第三者」を非難した。

シリア当局は「分裂を広げることを狙った宗派的な論調のメディアコンテンツやニュースの流布や公開」と見なすものを禁止すると発表した。