米検察当局、米企業秘密を盗んだ罪で中国ファンド首脳を起訴
11月4日、米ボストンを拠点とするクオンツファンド、アローストリート・キャピタルの企業秘密を盗んだ罪で米検察当局は、元社員であり中国拠点のヘッジファンドの首脳、シャオ・チャン被告(33)を起訴した。2018年11月、ボストンの裁判所で撮影(2024年 ロイター/Katherine Taylor)
Nate Raymond
[4日 ロイター] - 米ボストンを拠点とするクオンツファンド、アローストリート・キャピタルの企業秘密を盗んだ罪で米検察当局は、元社員であり中国拠点のヘッジファンドの首脳、シャオ・チャン被告(33)を起訴した。
今回の起訴は、中国国内で広く横行しているとされる企業秘密や知的財産の窃盗を取り締まろうとする米司法省の動きの一環。検察当局によると、チャン被告は現在も逃走中で、米国との犯罪人引き渡し条約を結んでいない中国にいる。
起訴状によると、チャン被告は中国で新設したヘッジファンドを支援するため、2021年にアローストリート・キャピタルのコードとプロジェクト、研究内容を違法に複製したとされる。
起訴状では、チャン被告が現在勤務している企業名や、15年から調査部門のアソシエイトとして働いていたグローバル投資会社の社名は特定しなかった。
しかし、ファンド規制機関である中国証券投資基金業協会(AMAC)が管理する登録データによると、チャン被告は15年から21年までアローストリート・キャピタルの調査部門で働いており、現在は中国・上海に拠点を置くパインストーン・アセットマネジメント(磐松資産)のエグゼクティブディレクターを務めている。
米証券取引委員会(SEC)への提出書類に基づくと、アローストリート・キャピタルは23年に約1770億ドルの運用資産を抱えている。同社幹部らはコメントの要請に応じなかった。
AMACのデータからは、パインストーン・アセットマネジメントは100億元(14億ドル)を超える資産を運用していることが分かっている。