ジョージア、方向転換なければEU加盟交渉開始せず=欧州委
欧州連合(EU)欧州委員会は30日に公表したEU拡大に関する年次報告書で、与党が親ロシア色を強める旧ソ連のジョージア(グルジア)について、現在の路線を転換しない限りEU加盟交渉を勧告できないと表明した。写真はジョージア議会選挙で与党勝利の結果に抗議する野党支持者らの集会。トビリシで28日撮影(2024年 ロイター/Irakli Gedenidze)
Lili Bayer
[ブリュッセル 30日 ロイター] - 欧州連合(EU)欧州委員会は30日に公表したEU拡大に関する年次報告書で、与党が親ロシア色を強める旧ソ連のジョージア(グルジア)について、現在の路線を転換しない限りEU加盟交渉を勧告できないと表明した。
ジョージア与党は26日の議会選に勝利したが、国際的なオブザーバーは有権者への脅迫や手続きの不備があったと報告している。
欧州委は報告書で、外国から20%以上の資金提供を受けた団体を外国の手先と見なす法律などを理由に、「ジョージアのEU加盟に向けた手続きは事実上停止している」とした。また、同国は選挙改革が必要であり、「政治勢力全般にわたる建設的かつ包括的な対話が今は最も重要だ」と強調した。
一方、欧州委は今年加盟交渉を始めたウクライナとモルドバについて、厳しい環境下で改革を進めていると賞賛した上で、さらなる努力が必要だと指摘。条件が満たされれば、早ければ2025年にも両国についてクラスター(交渉項目の大まかな塊)に沿った交渉を開始したい考えを示した。