豪小売売上高、9月は前月比0.1%増に急減速 減税効果乏しく
10月31日、オーストラリア統計局が発表した9月の小売売上高は、前月比0.1%増にとどまった。写真は2020年12月、シドニーで撮影(2024年 ロイター/Loren Elliott)
Wayne Cole
[シドニー 31日 ロイター] - オーストラリア統計局が31日発表した9月の小売売上高は、前月比0.1%増にとどまった。8月の0.7%増から急減速し、アナリスト予想の0.3%増にもとどかなかった。第3・四半期全体でも小幅な伸びで、7月から実施された減税は消費よりも貯蓄に回されたとみられている。
減税による消費の急拡大を予想していたオーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)にとって、利下げを後押しする材料となる可能性がある。
第3・四半期の小売売上高はインフレ調整後で0.5%増の1046億豪ドル(686億8000万米ドル)で、2四半期続いたマイナスを脱したものの、1人当たりの消費額は前年同期比で1.9%の大幅減だった。1人当たり消費額の減少は9四半期連続。
統計局の幹部は「最近の消費動向は、消費者は価格に対する意識が依然として高く値引きに敏感なことを示している」と語った。
小売売上高の見通しは、インフレ率の鈍化と所得税減税に支えられてきた。
ただ中銀の幹部は「減税で個人消費が目に見えて上向いたことを示す証拠はない。第3・四半期は支出よりも貯蓄の増加が主なテーマとなっている」と指摘。
今四半期と来四半期の消費は中銀の予測を下回り、最終的な利下げ実施の可能性は高まったものの、来年2月までの利下げは考えにくいという。