米議員、ステランティスに工場投資の約束を守るよう要求
10月23日、米連邦議会の80人弱の民主党所属議員が、大手自動車メーカーのステランティスに対し、全米自動車労働組合(UAW)との労働協約の一部となっている米中西部イリノイ州の工場に投資をする約束を守るように要求する書簡を送った。写真は上院民主党トップのチャック・シューマー院内総務。米ニューヨークで17日撮影(2024 ロイター/Brendan McDermid)
Nora Eckert David Shepardson
[デトロイト 23日 ロイター] - 米連邦議会の80人弱の民主党所属議員が23日、大手自動車メーカーのステランティスに対し、全米自動車労働組合(UAW)との労働協約の一部となっている米中西部イリノイ州の工場に投資をする約束を守るように要求する書簡を送った。議員には上院・下院の両方が含まれ、上院民主党トップのチャック・シューマー院内総務、同ナンバー2のディック・ダービン議員も名を連ねる。
「ジープ」ブランドのスポーツタイプ多目的車(SUV)などを手がけるステランティスは、閉鎖したイリノイ州のベルビディア工場を再開するために計画していた15億ドルの投資を延期すると発表していた。ステランティスは計画を取り下げておらず協約違反には当たらないと主張しているものの、労組側と激しい攻防を繰り広げている。
書簡は2通あり、ステランティスのカルロス・タバレス最高経営責任者(CEO)に宛てた。ベルビディア工場での投資の遅延などについて「これらの行為は、ステランティスのUAWに対する約束に違反する」とし、投資のスケジュールを明示するように要求した。
UAWは昨年、米国に拠点を置く大手自動車メーカー3社(ビッグ3)に対して約6週間のストライキを実施。スト終結の際にステランティスと結んだ労働協約で、ベルビディア工場に投資し、2027年までに新型の中型ピックアップトラックの生産を始めることが盛り込まれていた。
ステランティスは北米での販売台数が低迷しており、回復に向けた経営陣の刷新を最近公表した。ステランティスは労組によるストの可能性に再び直面している。
ステランティスにコメントを求めたものの、すぐには回答を得られなかった。