英国、公共投資維持しつつ公的債務制御すべき＝ＩＭＦ高官

国際通貨基金（ＩＭＦ）のガスパール財政局長は２３日、英国は公共投資を維持する形で公的債務を制御すべきだと述べた。写真はガスパール財政局長。ワシントンで２２年撮影。（2024年 ロイター/James Lawler Duggan/File Photo）

David Lawder　David Milliken

[ワシントン ２３日 ロイター] - 国際通貨基金（ＩＭＦ）のガスパール財政局長は２３日、英国は公共投資を維持する形で公的債務を制御すべきだと述べた。

リーブス英財務相は来週３０日、予算案を発表する。財政を均衡させ、公共投資の拡大を可能にするため、主に増税で４００億ポンド（５２０億ドル）の歳入増を計画している。

ガスパール氏は、財政ルールを巡る英国での議論を歓迎するとしながらも、公共投資のための借り入れ余地を増やすルール変更の可能性については詳細な見解を示さなかった。

同氏はワシントンで開催中のＩＭＦ年次総会の記者会見で「（ＩＭＦの）財政モニターは、健全なマクロ経済パフォーマンスを促進する一連のルールと予算手続きの枠組みの中で公共投資が保護されるべきだということを強調している」と発言。「公的債務とそのリスクを制御することは非常に重要」と語った。

ＩＭＦチーフエコノミストのピエール・オリビエ・グランシャ氏は２２日、英国や他の裕福な国は、経済危機の際に行動する余地を確保するために、経済に対する債務の割合が高まるのを止める必要があると述べていた。

ＩＭＦは２３日発表した報告書で、英国は付加価値税の例外を減らすことで税収を増やすことができると指摘した。

ＩＭＦは、英国の一般政府総債務が国内総生産（ＧＤＰ）に占める割合は、２０２３年の１００％から２９年には１０８．３％へと上昇し続けると予想。主要７カ国（Ｇ７）全体では２３年の１２３．４％から２９年には１３１．１％に上昇すると予測している。